この指導では,図形を構成する要素に着目し,三角形,四角形などの図形について理解できるようにすることをねらっている。
そのためには,形の成り立ちに気づかせ,豊かに形をとらえながら,三角形,四角形を構成する活動を取り入れることで,その特徴をとらえさせることが大切である。
(1)「形」の成り立ちに気づき,豊かにとらえさせる工夫
形の大事な要素である「囲む」「囲まれている」に気づかせ,囲む活動をさせることで,形を豊かに見ることができる。
(2)三角形,四角形の特徴に自ら気づき,分類していく活動の工夫
三角形,四角形の特徴が分かり,仲間分けすることができる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | 形と形でないものの違いを知る。 |
課題1ハムスターをつかまえてきました。
とを比べさせて「囲む」言葉を知らせ,囲まれているものを形ということを知らせる。 |
2 | ひよこを線で囲む。 |
形についての理解を深め,豊かにとらえさせるために,いろいろな線で囲む活動をさせる。 |
3 | 「動物かこみゲーム」のルールを知り,ゲームをする。 |
課題2《動物囲みゲームのルール》
一人一人にシートを持たせ,動物を囲むという体験をさせていく。全員が1~2つ動物を囲んだらゲームを終了し,結果を出し合わせる。その後は,まだ囲めていない動物全てを囲ませ,囲んだ三角形や四角形を切り取って取り出していく。この時,直線のまわりを切り取ればよいことを,教師がやってみせてもよい。 |
4 | 囲んだ形を三角形と四角形に分け,それらの形の特徴,用語を知る。 |
課題3三角形,四角形という用語をおさえたあと,三角形,四角形の特徴をゲームと関連づけながら,児童の言葉から引き出していくようにする。 |
5 | 三角形,四角形をさがす。 |
練習1(全体で)練習2(一人で)教科書P40 1問題の中には,三角形,四角形だけでなく,囲まれていないものや曲線の図形も入れておく。 |
6 | 学習のまとめをする。 | 学習を振り返って,形は囲まれているということや三角形,四角形の特徴をなるべく児童の言葉でまとめていく。 |
(1) 「動物を囲む」という学習活動を通して,児童は囲まれているものを形ということをはっきりととらえることができた。また,花の形やハートの形で囲んだりして,基本図形にとらわれず,形を豊かにとらえることもできた。
(2) 動物囲みゲームを取り入れたことで,三角形は3本の直線で囲まれた形,四角形は4本の直線で囲まれた形であることに児童自ら気づくことができた。また,自分がかいた三角形や四角形を2つの仲間に分ける活動を取り入れたこと で,三角形,四角形の特徴をとらえることができた。
(3) 練習の際の教材として,囲まれているものとそうでないものを入れたり,直線と曲線で囲まれているものと直線だけで囲まれているものを入れたりしたことで,形や三角形,四角形の理解が深まった。三角形や四角形の意味理解ができたら,すぐ練習の場を取り入れ,習得・活用を図っていくことが大切である。