この教材は,ブロック操作を通して除法の素地となる「同じ数ずつ分ける」ことの意味を理解させることをねらいとしている。そのために,等分する活動をさせたり,操作と図を結びつけて説明したりできるようにすることが大切である。このような活動を通じて,一つの数を多面的にみることができ,数についての感覚が豊かになると考える。
(1) 「まとめて数えること」と「同じ数ずつ分けること」の違いに気づかせるための問題提示の工夫
本時で提示する問題はすべて素材をあめにして比較しやすいようにする。また,問題文と絵を結びつけて提示し,前時と「比べ読み」させる。
(2) 「同じ数ずつわける」ことを理解するための操作活動
1人分を紙皿に分ける活動をすることで,具体的な操作のイメージを持たせ,1人分が明確になるようにする。
6個のあめを2個ずつ配ると,3人に分けられる。
(お皿の数を求める問題)→包含除
1人分,2人分,3人分
6個のあめを3人で同じ数ずつ分けると,1人2個ずつ
(お皿の中身を求める問題)→等分除
1人分は2個
ブロック操作を通して,同じ数ずつ分けたり,何人かに等分したりする分け方がわかる。
学習活動 | 発問と子どもの反応・指導のポイント | |
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1 | 問題1(前時の問題)を解く。問題1子どもが3人います。あめを1人2個ずつ配ると,みんなで何個いりますか。
1人2個ずつ |
前時の学習をもとに,わかっていることを絵で整理する。わからないものについては,数をたくさん提示する。 |
2 | 問題2を解く。
問題2あめが8個あります。1人に2個ずつあげると,何人にあげられますか。
1人2個ずつ |
あめの数8個,たくさんの子どもの顔を提示し,問題1との違いを明確にする。
紙皿を多めに配っておき,必要な数だけ出して使わせる。紙皿は,児童机で作業しやすいように小さめのものを用意する。
お皿の数と人数を一致させるために,お皿の上に顔の絵を貼るとよい。
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3 | 問題3を解く。
問題3あめ12個をおなじかずずつ分けます。3人でわけると,1人何個ですか。
□こ |
子どもの発言を取り上げながら文と絵を結びつけ,問題1・問題2と比べながら,1人分の数を見つけることに気づかせる。
お皿の数と人数が一致せず戸惑っている場合は,全体で確認する。 |
1人分の数をはっきりとらえさせるために,皿を持ち上げて1人分を確かめさせる。
子どもの数を変えて,即座の練習をし,一人分の数を見つけることに慣れさせる。 |
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4 | 適用問題をする。 |
①みかんが8こあります。1人2こずつあげると,何人にあげられますか。
②チョコレートが15こあります。3人で同じ数ずつわけると1人何個になりますか。
必要に応じてブロックを使わせてもよい。絵を○で囲んだり,図を自分でかいたりして解決できるように指導していく。 |
5 | まとめをする。 |
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(1) 「比べ読み」をし,問題文と絵を結びつけたことで,何を問われているのかが明確になり,問題の意味を理解することができた。
(2) 問題を絵で視覚化することで,操作のイメージがわき,スムーズに操作活動に移ることができた。
(3) 紙皿とブロックを使った操作活動をしたことで,「同じ数ずつ分ける」「何人かで等しく分ける」というわり算の素地的な経験を全員にさせることができた。