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実験・観察の安全指導

ドライアイスの状態変化の実験について

(平成24年度以降用教科書「未来へひろがるサイエンス」1年本冊p.142図45)

この二酸化炭素(ドライアイス)の状態変化の実験につきまして,ドライアイスを教科書に示した量よりも多く入れたことにより,ペットボトルが破裂したとの報告を伺い,安全上の留意点を,全国のご使用校および教育委員会にお知らせいたしました(平成23年11月と12月)。

改めて弊社にて行った追試結果を報告いたします。以下の点を再度ご確認いただき,ご指導の際には,十分ご留意いただきますよう,お願い申し上げます。

【追試結果】

  • ○ドライアイスの量:1g,2g,4g,6g,8g,10gの6パターン。
  • ○ペットボトル:市販の炭酸飲料用2種類(500mL)。飲料を抜き,自然乾燥後に使用。
            1g,2gは2種類で追試,4g~10gは1種類で追試。
  • ○結果:いずれも,状態変化中・変化後で,ボトルおよびキャップの破裂・飛散なし。
    なお,キャップをゆるめる際,2g,4gでは,炭酸飲料が満たされている時とほぼ同等の,6~10gでは,それ以上のかなりの衝撃があった。

【実験を行う際の留意点】

追試により,教科書に示した量で行えば安全上問題ないことを,改めて確認できましたが,万が一,量を誤った場合なども考慮し,以下の点に十分ご留意願います。

  • ① 生徒による実験は行わず,先生による演示実験とする。その際,先生・生徒ともに必ず安全眼鏡を着用する。
  • ② ペットボトルには,飲料によりいくつかの種類があるが,耐圧設計されている炭酸飲料用(500mL)を必ず用いる。また,必ず新しいものを使用し,傷が入っていないかどうかを事前に点検する。一度実験に使用したものは,再使用しない。
  • ドライアイスの量は,約1g(1g以下)を厳守する。また,ペットボトル内には,決して水などを入れない(ドライアイスが水と接することによって,急激に昇華して内圧が急上昇しやすく,危険である。また,水を多く入れた場合,容積が減って内圧がさらに上昇しやすくなるため,危険である)。
    なお,ドライアイスは直接手でさわらない。軍手をするか,ピンセットを用いてペットボトルに入れる。
  • ④ ドライアイスの入ったペットボトルを振るなど,乱暴に扱わない。
  • 実験後にキャップをゆるめる際,キャップの向いた先に人がいないことを確認する。キャップにはタオルなどを巻いて,予想外の方向に飛ぶのを防ぐ。また,キャップとボトル本体は,しっかりと持っておく。

◆マイノートについて

別冊マイノート1年p.32に,同実験について,下記のような図(写真)を見て説明する「考えてみよう」というコーナーを設けております。

マイノートは家庭学習の際にも利用することを想定しておりますので,くれぐれも実験を家庭(学校外)で行わないよう,生徒には,十分に注意を促していただきますよう,お願いいたします。

マイノート1年p.32

考えてみよう

◆ペットボトル(密閉容器)で気体を発生させる他の実験について

以下の教科書の実験では,ドライアイスは使用しませんが,密閉容器内(代替材料としてペットボトルを使用)で,塩酸と炭酸水素ナトリウムを反応させ,気体の二酸化炭素を発生させます。

  • ・ 平成24年度以降用「未来へひろがるサイエンス」2年本冊p.153実験6

この実験も,「ドライアイスの状態変化の実験」と同様に,薬品の量を誤ると容器の破裂などが起こる可能性もありますので,教科書や指導書での記載事項を十分ご確認いただき,安全に行っていただきますよう,よろしくお願いいたします。