数詞(いち,に,さん,し,……)を使って,例えば,「にひゃくさんじゅうご」というように数を言葉で表す方法を命数法といいます。これに対し,数字(1,2,3,4,……)を使って,数を「235」と表す方法を記数法といいます。つまり,命数法は数の言い表し方,記数法は数のかき表し方とも言えます。
日本語の命数法は,「いち,に,さん,……,く」という数詞と「じゅう,ひゃく,せん,……」というまとめた大きさを表す数詞との間で,次のように乗法と加法を交互に組み合わせる方法になっています。
これは,完全な十進法で,記数法とも一致しており,欧米の命数法が
eleven,twelve,……,twenty
という別の数詞が用いられているのと比べて,数処理上はるかにうまくできていることがわかります。
ごく最近まで日本人は暗算が得意と言われてきたのですが,それは,命数法の差によるものと思われます。欧米でも,最近「11」を「ten-one」,「20」を「two-tens」というような命数法を教育に取り入れています。
指導では,具体物を数える命数法から入り,記数法へと進めていきます。