繰り下がりのあるひき算には,次のような2つの方法があります。
A 13-9
1. 10から9 をひいて1 (10-9=1)
2. 3 と1 で4(3+1=4)
B 13-9
1. 13から3をひいて10(13-3=10)
2. 10から6をひいて4(10-6=4)
Aのような方法を減加法といい,Bのような方法を減減法といいます。ひいてからたすので「減加」,ひいてさらにひくので「減減」というわけです。
減加法では,ひき算なのに,たすことが入っているという難点があります。一方,減減法では,ひかれる数の一の位に合わせてひく数を分解することが必要で,このことが難しいといわれています。
指導では,どちらの方法が児童にとってわかりやすいか意見の分かれるところですが,一般には,減加法のほうが計算しやすく,定着を図りやすいといわれています。教科書では,減加法で指導されています。ただし,計算の方法として減減法が児童から出てきたときは,認めてやることが大切です。
第2学年で指導される21-8などの計算も減加法です。
また,素朴な方法として,例えば,11-8を10,9,8,……,3と数え引きによって求める方法があります。児童の中には,この方法に固執する者もいると思われます。認めてやり,徐々に減加法に移行するようにすればよいでしょう。