|
基礎・基本を定着させる授業展開の工夫 | ||
|
1.単元名 分数×分数,分数÷分数 2.単元の目標
本学級の児童は,算数科の課題に対してすぐに理解できる児童と,そうでない児童との差がみられ,学力の二極化が顕著である。
基礎的な学習のグループでは,面積図や線分図のかき方,単位分数の見つけ方,問題場面の把握や分数の計算のしくみをスモールステップで押さえていきながら,分数×分数や分数÷分数の計算のしくみが確実に定着することをねらう。また,問題場面に応じ,実際に活動したり,面積図を塗り分けたり,空操作をしたりする具体的な算数的活動を大切にする。発展的な学習のグループでは,既習事項を使い,自力解決主体の学習展開を進め,分数×分数や分数÷分数のしくみの法則性を捉えさせることをねらう。したがって,指導に当たっては式や面積図,線分図,関係図等を使って多様な求め方で問題解決をする時間を十分確保し,児童同士の練り合いを大切にしたい。どちらのコースでも,少人数という点を生かし,きめ細やかな指導で知識理解の定着を図るだけでなく,一人一人が自分の考えに自信を持ち筋道立てて説明したり, 友達の考えを想像して説明し たり,自分の考えと比べながら聞いたりすることで練り合いの力を高めたい。 自力解決の場面では,既習事項とのつながりを意識し,小数の計算と同じように,かける数やわる数が分数の場合でも,その大きさを1と比べたり,問題場面を空操作したりすることで答えの大きさを予測させたい。また,今までの分数の学習で用いてきた分数スケールを重ねることによってできる面積図の理解を図り,その面積図や線分図をもとに計算のしくみを視覚的にとらえさせる。さらに除法の性質を利用し,既習の式に変換することで分数の除法の意味と計算の仕方を理解させたい。
7.授業を終えて 基礎的な学習のグループの児童は,面積図をかく算数的活動をくぐって,「 ÷ は,×3と同じ」を実感的に理解した。発展的な学習のグループの児童は,友だちの多様な考えを練り合う探究的な算数的活動をくぐって同じように理解することができた。どちらのグループも,次時の「分数÷分数の一般化」に向けて『分子が 1 じゃなかったらどうするのだろう』と疑問を持ち,学習をつないでいけた。 |
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|