|
楽しみながら意欲的に追究する 算数の授業構想と教師支援のあり方 〜「合同な形」の指導を通して〜 |
|
|
1.はじめに 高学年の子どもたちに「好きな教科は?」と聞くと,「体育」と答える子どもがとても多い。算数はというとなかなか「好きな教科」に入ってこない子どもたちがかなりいるようである。体育がなぜ好きかと考えてみると,第一に「活動できること」があげられる。 じっくりと落ち着いて物事を考えることももちろん大切であるが,活動しながら学ぶ楽しさに比べたら持続性は少ないだろう。第二に「ゲーム性があること」があげられる。勝敗があったり,できなかったことができるようになったりするなどの達成感があることが楽しさを増大させている。 では,これらのことは算数ではできないことだろうか。今までの授業を振り返ってみても,教科書の問題を順に黒板を使って教えていく授業ではこれらの条件は満たされることは少ないことは明らかである。 2.研究の仮説
3.研究の方法 「遊び」ならば何でもいいというわけではない。「遊び」が子どもたちにとって楽しいものでなければ,その「遊び」を授業に取り入れ,発展させたところで追究意欲は生まれてこないからである。そこで,子どもたちの身近な生活の中で興味や関心を高めている「遊び」の発見が大切となってくる。 「遊び」の発見はいろいろな場面で行われなければならない。子どもたちとする普段の会話の中や子どもたちの書く毎日の日記の内容,放課や授業後の遊びなどによく目を配り「遊び」の情報を収集していくのである。 一方で,これから学習していく単元の中で「遊び」を取り入れて学習を進めていけそうな単元はないか教材研究を進めていく。 そして,「遊び」の情報と教材研究を合わせて考えたとき,「遊び」を発展的に扱い追究活動ができるかを見通すのである。 4.単元構想図 5.実践と考察
6.まとめ この授業が終わった後の子どもたちは,三角形の内角の和が180度であることも自分たちの力で発見した。そして,五角形もこの前の単元で合同な四角形を書くのに2つの三角形に分けて考えた経験から五角形を四角形と三角形に分けたり,3つの三角形に分けたりして,5つの角の和が540度であることも突き止めた。 さらに,ノートには書けないような百角形の100個の角の和の求め方まで考えてしまった。パソコンのソフトを使った「合同な図形の陣取りゲーム」による学習は,「遊び」を発展させていくことで楽しく意欲的に追究していこうとする子どもたちを育てることができたと思う。下はその時の子どもの授業日記である。
|
||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||