1.はじめに
子どもたちにとって重さは,長さや広さのように大きさや形などの視覚で判断することができないことから重さの概念はとらえにくいものとなっています。そこで重さの概念を理解させるために数値化したり,普遍単位の必要性に気づかせるような活動を工夫したりします。
はかりを使って,身近なものをできるだけ多く測定し,測定技能を身につけると共に,量感を養っていけるような算数的活動を取り入れて展開していきます。
2.単元の目標
(1) | 重さの概念と重さの普遍的単位g,sを理解する。
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(2) |
適切に計器を選んで,重さを量ることができる。
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3.単元指導計画 (8時間)
(1) |
身近なもので重さ比べをしよう |
(重さの概念,直接比較,任意単位による重さの測定)
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(2) | 身近なものをはかりにのせてみよう |
(重さの単位の理解)
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(3) |
はかりの仕組みと使い方を知ろう |
(重さを量る計器の目盛りの読み方)
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(4・5) |
見当をつけてからはかってみよう, いろいろなはかりではかってみよう, 重さづくりをしよう
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【本時2時間扱い】
(重さの量感とはかりの用途)
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(6) |
重さの計算をしよう |
(重さの加減法)
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(7) |
練習
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(8) |
はかりでチャレンジ(発展) |
(形を変えて測定,液体の測定,丸いものの測定)
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4.授業の実際 (第4時〜5時)
【準備するもの】
はかり |
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1sのはかり 2sのはかり 4sのはかり 500gのはかり 電子ばかり など
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はかりではかるもの |
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教科書 のり 文鎮 スポンジ たわし ペットボトル 牛乳 ランドセル テープカッター 習字道具 砂糖の袋 お味噌パック 小石 など |
この時間の学習では,2〜3人のグループで3つのコーナーをまわり,重さをはかる活動を通して (1)量感を養う (2)いろいろなはかりに慣れる (3)適切な単位で正しくはかることができるようにします。
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自分の手で持ってみて,何グラムあるか予想を立てて,それから実測させます。 量感を養うコーナーです。 |
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▼ Aコーナーに掲示しておく |
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Aコーナー ワークシート
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☆ |
はかりは,種類によってはかることのできる最小目盛りや最大の重さがそれぞれ異なっているので目盛りの読み方にとまどいがちです。はかりによって針の振れ幅が違うことを活動を通して理解するコーナーです。 |
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教科書の他,ランドセルや水の入ったペットボトルなども乗せて,振れ幅の違いを見ます |
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Bコーナー ワークシート
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どのはかりではかろうかな
4sのはかりの1目もりは( )g
2sのはかりの1目もりは( )g
1sのはかりの1目もりは( )g
500gのはかりの1目もりは( )g
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・ |
テープカッターの重さは,
4sのはかりではかったら( g)
2sのはかりではかったら( g)
1sのはかりではかったら( g)
500gのはかりではかったら( g)
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身のまわりにあるものを使って,1sになるような重さづくりをします。 (・ ペットボトル ・本を重ねて ・お味噌パック ・砂糖の袋 など)
1sの重さの感じをつかむコーナーです。 |
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Cコーナー ワークシート
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重いものをはかるときは,キログラムs
という単位を使います。
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小石をつめてピッタリ1kgを作りましょう。
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5s=( g) 3000g=( s)
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習字道具の重さをはかってみましょう。 |
( g)それは( s g)
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砂や金魚などの水槽に敷く石を利用する。
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大小いろいろな石を集めておき,その中から1sになる重さの量をさがし出す。
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5.おわりに
子どもたちは,日常生活の中で重さを体験しています。ランドセルを背負って通学したり,机を動かしたりしたときなど,重いとか軽いとかを実感しています。
また,グラム・キログラムなどの言葉も知っていましたが,体重測定のようにはかってもらうことはあっても,自らはかる活動は少なかったようです。
そこで重さに対する量感を養いたいと,体感や測定の体験を十分に行いました。
はじめは,はかりの針が動くことに興味を示していましたが,そのうちに「○○よりも○○の方が重い」とか「はじっこに乗せても重さは同じ」などとつぶやく子も出てきました。いろいろなものを実測したことで「これはたぶん○○gだろうな」と量感と実測値の差が少なく,見当もつけられるようになってきました。
ただ,まだ十分にはかりを読みきれない子どもがいて,教師の支援は必要だと感じました。また,このような活動をさせたときに,はかりの個数が足りなかったり,物が散らかったりして大変でした。しかし,小グループで学びあったことは,自分なりの活動ができ意見も言えて,生き生きとしていたように思います。
学習の終わりには,(1)わかったこと,(2)もっと調べてみたいこと,(3)疑問に思っていることなどについて振り返り,まとめさせることが大切だと感じました。
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