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かくれた数はいくつ 〜身近な生活の中で,生きる力を育みながら〜 | |
山形県A小学校 |
算数科の実践にあたって 今,「生きて働く力」の育成を目指して,総合的学習や生活科の学習活動の研究がさかんである。算数科でも,地域の良さや体験活動を教材として取り入れ,算数の良さを味わったり,その良さを生活に広げたりしていけば,子どもたちは算数をもっと身近に感じることができるのではないだろうか。それにより,学習内容を定着させ,学習の課題や課題の解決方法を自ら見つけていく時間になっていくのでは……という思いを強くしている。 地域素材を教材へ(「かくれた数はいくつ」までの実践の流れ)……
これまでの実践からわかったこと
「かくれた数はいくつ」の学習計画にあたって これまで,何度か2年生を担任したが,テープ図の導入では決まったように□□□……や△△△……などの図やカードを並べて考えさせていた。しかし,子どもたちにとってみれば,その図を連続性のあるテープ図へ移行させねばならず,また,問題文の数量関係をも考えていかねばならない。数量関係把握にのみ集中させていく手だてはないだろうか。
実 践
オリジナル問題をみんなで考えたことで,「きかれていること」も容易に確認できた。
しだいに,「15人ってこんなに多いんだね。」や「早く図ができて,とっても便利。」や「あまったテープをこっちの分にしよう。」などのつぶやきが聞こえてきた。紙テープの操作作業を通して,数量を相対的に比べたり数量を抽象的にとらえたりして,集中していた。 ≪テープ図の導入場面(2教時目)≫
はじめは,導入の時間と同様に,楽しそうに(「簡単だよ。」と言うように,慣れた手つきで)紙テープ図を作っていた。しかし,作業が進んでいくうちに「あれ?」と言う声。友だちの図をのぞきこんで「えー,どっちがいいの?」という疑問の声が出てきた。そこで,2つの図を提示し,「どっちが正しい図でしょう。」と発問。
子どもたちは,「うーん。」と悩んでいた。この(色)の紙テープを「36人と見る」と限定しなければ,もちろん,どちらも正しい図である。そこで,
と促した。子どもたちは,さっそく,にこにこしながらノートに書き始めた。
他にも,このテープ図が書けるお話(問題)を作ってみましょう。テープ図を指しながら,作問した。
実践を振り返って 地域(身の周り)素材を学習活動の中に取り入れることを積み重ねていくと,自然に「算数」と「実生活」との壁がとりはらわれていく。また,最近では,教科書等を見て「□は,〜なんだって。」と未習の学習内容を教えにきたりする。体験を通した算数の良さを確かに感じている。
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