文章題のねらいは,日常生活に現れるであろう様々な問題について解決する場合の思考力を養うことです。思考力を養うには,問題に直面した場合にどう考えたらよいかという方法を理解し,それを選択できることが大切です。これを思考法といいます。
思考法には大きく分けて2タイプあります。
・演繹的思考法
ものごとの関係を分析して推理を積み重ねていく思考法を演繹的思考法といいます。この思考法には,
1. 要素を結びつけて新しい要素をつくり出す。
2. 状態を反対向きに考えて新しいものを導き出す。
3. 差し引いたり,置き換えたりして新しい関係を引き出す。
4. 簡単な場合をもとにして関係をとらえる。
5. ある場面を設定して条件の違いを調べる。
などがあります。
演繹的思考法は,ものごとの内包していることがら(要素)をばらばらに分解(分析)し,それを1~5の考え方を使って順序よく組み立てること(総合)によって,問題を解決することになります。
演繹的思考法は静的な見方ということもあります。
・帰納的思考法
ものごとの関係を調べるには,個々の場合を調べ,あてはまるものを見つける思考法もあります。これを帰納的思考法といいます。この思考法には,
1. 見当をつけて確かめる。
2. 場合をあげて調べる。
3. 場合を分類して調べる。
4. 値を変化させて調べる。
などがあります。
帰納的思考法は,事象を適当に変化させたり(試行錯誤),順序よく変化させたり(実験・試行)して,問題を解決していくことになります。このことから,帰納的思考法を動的な見方ということもあります。
問題解決にあたっては,1つの考え方に固執しないで別の考え方をするといった観点変更も必要です。