向かいあった2組の辺がどちらも平行になっている四角形は平行四辺形ですが,角がみんな直角になっていると長方形になります。したがって,長方形は平行四辺形の特別な形とみることができます。このとき,角がみんな直角であるということは,(少なくとも)向かいあった2組の辺がどちらも平行であるという条件を満たしているので,長方形を平行四辺形の仲間に含めて考えることができます。このような図形に関する相互の関係を図形の包摂関係といいます。
小学校で学習する図形として考えられるのは,正方形を長方形の仲間とみたり,長方形やひし形を平行四辺形の仲間とみたりすることなどがあります。また,立体では,立方体を直方体の仲間とみるなどの例が考えられます。
図形の包摂関係については,以前は教科書でも積極的に取り上げられたこともありましたが,現在では,特に取り上げないことになっています。
しかし,長方形のわくを使って,いろいろな平行四辺形をつくる際,長方形と平行四辺形との関係に気づいた児童には,長方形が平行四辺形の特別な形であることに簡単に触れてもよいでしょう。