乗法的オペレータ

上の問題で,3倍,2倍などは「3倍する」「2倍する」といったかけ算の働きをもった数量です。
このような数量を,乗法的オペレータ(operator)といいます。
この乗法的オペレータに着目すれば,上のような2 段階の乗除の問題を解決するとき,手際よく処理することができます。
上の問題は,まず車の走った長さを求めると,
・2×3=6(m),6×2=12(m)
と,順々に考えることができます。一方,黄は赤の何倍になるかに目をつけると,
・3×2=6(倍),2×6=12(m)
と,オペレータをまとめて考えることができます。
指導にあたっては,いろいろに考えさせ,順々に考える考え方も認めながら,漸次,オペレータに着目する考えのよさに気づかせ,これを用いることができるようにすることが大切です。
その際,オペレータに着目しやすいように,下のような関係図をかかせるようにすることが大切です。

ところで,この指導では「3倍の2倍は5倍」という誤りが多いものです。そこで,初めは具体物などを使って,3倍の2倍は(3×2)倍になることの理解を徹底することが大切です。