みなさんも,植物の学習のとき,クラス全体での観察中心で単元の学習が終わってしまい,一人一人が問題解決学習を行うことができなかったという経験はありませんか。私も,いつも悩みの種でした。そこで,植物単元でも一人一人が自分なりの問題意識をもち,観察・実験して問題解決できる理科学習指導を試みてみました。実際に行ったのは,5年生の「植物の実や種子のでき方」の単元です。アサガオで学習したおしべやめしべ,結実の仕組みが,他の花にもあるのか一人一人が調べるという,学習した内容を「活用する」場を設定することで,より深い理解につながると考えました。
また,子どもたちに一人一花を担当させて調べ,グループの中で自分が調べた花には,おしべ,めしべがあるか説明活動を仕組むことで,どの子もアサガオの特徴と比較しながら,調べたり,考察したりして,すべての子どもたちが活躍することができると考えました。
本単元は,花にはおしべやめしべなどがあり,花粉がめしべの先につくとめしべのもとが実になり,実の中に種ができることを理解することをねらいとします。
まず,代表的な花として「アサガオ」で調べます。その後,他の花もアサガオと同じようにおしべ・めしべがあるのか一人一人が花を選び,調べていきます。そこで問題になるのが,どんな花を用意するかです。子どもたちがもってきた花や学校に咲いている花では,1つの花にたくさんのめしべがあるなど調べにくかったり,全員分の花が用意できなかったり等の問題が出てきます。そこで,今回アサガオで培った知識・技能が活用しやすい4つの花を用意し,提示しました。それが次の4つです。
このような条件を満たした花であれば,子どもたちが自分の力で調べ,単元終わりまで十分花を用意できると思います。