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ズッキーニで,教室で手軽に「花と実」の観察を | |
東京都港区立青南小学校 寺師 純子 |
1.はじめに 「花から実へ」の単元では,
従来,ヘチマ,ヒョウタン,カボチャを用いて学習をおこなってきた。これらは花が大きく,おばなとめばなの違いもはっきりしている上に,大きな実ができるという点で学習に適した教材といえる。しかし実際に育てるには,大きな棚やある程度広さのある花壇が必要になる。 ヘチマやヒョウタンでは,子どもたちが観察しようとすると高い棚の上やフェンスの上に開花していることが多く,一人一人がじっくりと花を観察することができないことが多かった。 また,都会に位置する本校の狭い花壇では,限られた数のカボチャを栽培することしかできず,おばなに比べ,めばなの数が少ないこれらの植物では,いざ観察しようとするとめばなが少ししかないということもしばしば経験した。 なによりこれらの植物を用いた場合,野外で観察した結果を教室に戻って整理するため,実物を見ながらの意見交換が十分に行えなかった。 これらのことから,もっと手軽に確実に子ども一人一人がじっくりとおばなとめばなの両方を観察し,植物を目の前にして互いの気づきや考えを交換することができないかと考え教材開発に取り組んだ。 2.ズッキーニについて
ズッキーニは,持ち運びのできる大きさの鉢植えが可能であるので,授業の際には,教室に持ち込み実際に花を目の前にして子ども同士の意見交換が可能となった。また,中心の太い茎から花柄を伸ばして開花するので,めばなとおばなを並べて比較することができた。 成長が早く次々に食用となる実ができるので,子どもたちは収穫の喜びを味わうことができた。このことにより子どもたちは頻繁にズッキーニの成長や変化を確かめるようになり,意欲も持続させることができた。 ズッキーニの観察
3.その他の植物について ズッキーニと並行していくつかのウリ科の植物を栽培した。他の植物についてもズッキーニと比較することで子ども自身が観察の視点を明確にもつことができた。
手軽に栽培できるズッキーニを中心とした植物を紹介した。ズッキーニと他の植物を比較しながら観察する活動は,大変有効であったと考える。実際には植物によって,実のなる時期に多少のずれがあるため,学習計画に余裕を持たせておくことが必要であった。また,キュウリやゴーヤは,夏休みの時期にも次々と実ができるので,家庭での栽培を紹介することも良いのではないかと考えている。 ズッキーニは,準備の大変な単元「花から実へ」を手軽に学習するために有効な教材である。収穫を楽しみながら学習に取り入れていただけたらと考えている。 |
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