第5学年「総合的な学習の時間」学習活動案
(1)
単元名 「ヤゴ(トンボ)を育てよう」
(2)
単元の目標
・
「ヤゴ」が自分たちの身近な場所(学校のプール)にもいることを知り,探したり育てたりしながら「ヤゴ」についての理解を深める。
・
幼虫(ヤゴ)から成虫(トンボ)になるまでの様子を観察し,成長の過程やその環境について考えることができるようにする。
(3)
単元の目標
身近に見られる昆虫などの採取や飼育について,児童の興味関心はとても強い。これまでにも生活科や第3学年理科での学習や生活経験の中で,実際に動物(昆虫)を飼育したことがある児童は多く,昔ほどではないが児童の遊びの中でかなりの部分を占めている様子が伺える。
今回ヤゴとその成虫(トンボ)を学習材として取り上げたのは,次のような利点があると考えたからである。
1)
「採取しやすい」今回は清掃前の学校プールに生息しているヤゴを採取する。
都心の学校プールでも多くのヤゴを採取することができ,児童一人一人が飼育するのにも都合が良い。
2)
「飼育が容易である」飼育容器はペットボトルを半分に切り、中の水は時々取り替えるだけで良い。餌のイトミミズは観賞魚店に,アカムシは釣り具店で容易に手に入る。
《イトミミズ100円・アカムシ200円,いずれもおちょこに1杯》
3)
「不完全変態の学習」チョウは完全変態昆虫なのでさなぎの時期があるが,トンボにはない。また,トンボの幼虫(ヤゴ)は成虫の特徴をもっているので,3学年でのチョウの学習と比較をしながらそれぞれ理解を深めることができる。
4)
「児童の興味を引きやすい」トンボは不完全変態昆虫のため,幼虫の体のつくりが成虫に近く,捕食の仕方や動き方が奇抜で児童の興味を引きやすい。
以上の理由で,ヤゴ(トンボ)は学習材として好ましく,児童の関心を十分に向けることができると考えた。
(4)
活動計画(22時間扱い)《実態に応じて増減する。》
第1次:
教材との出会い(3時間)
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オリエンテーション(ヤゴとは,何か?ヤゴ救助隊としての意識を持つ。)
・プールに行き,ヤゴを採取する。
第2次:
思いを出し合い,問いを生み出す。(3時間)
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ヤゴの体を観察して,気づいたことや不思議に思ったことを観察カードに書く。
第3次:
問いを追究する。(6時間)
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自らの問いを追究するための方法を考え,観察したり,資料で調べたりする。
《秋 10月〜》
第4次:
新たな問いを追究する。(6時間)
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最近,見られないトンボに対して,思いを出し合う。
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トンボを採取して,トンボの体を観察したり,産卵させたりして,思いや問いを観察カードに書く。
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トンボ(ヤゴ)の学習を通して,トンボ(ヤゴ)の目から見た環境を考えてみる。
第5次:
表現する。(4時間)
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トンボ(ヤゴ)研究発表会をする。(絵本等を作って,自分の学習してきたことをまとめる。)
(5)
児童の活動の様子(第3次まで)
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毎朝,登校したらMyヤゴにあいさつしながら観察をしていた。
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餌やりは毎日,水替えもまめに,進んで行っていた。
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何か変化があるとすぐに教師に言いにきた。(脱皮,羽化,餌を食べない。等)
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死んでしまったヤゴを見て,泣いていた。(その後,土に埋めた。)
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友達のヤゴにも関心を持ち,見せあいっこをしていた。
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ヤゴッチやヤゴ太郎等,ニックネームで呼び,飼育している姿に優しさを感じた。
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一人一人自分のヤゴとして,愛情と責任を持って大切に育てていた。
(6)
その他
児童と共に,教師自身もヤゴ(トンボ)の研修を深めることができ,ヤゴ(トンボ)の見方を変えることができた。
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