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不思議な鯨で解決意欲を高める
下の写真のようにたらいに「潮吹き鯨」を入れ,お湯をかけていった。すると,鯨が勢いよく潮を吹きだす。この様子を見て子どもたちから,「すごいすごい」「どうして」など,感嘆の声が聞こえた。
この演示実験の後,子どもたちに,潮吹き鯨の内部を学習シートを使って水が出てきた仕組みについて考えさせた。子どもたちの反応は,「空気が温められ,かさが増え,水を圧し出した」というものであった。子どもたちの答えは,1つであった。
そこで,原因の1つとして水の膨らみも考えに入れるよう,透明のペットボトル(下図参照)を提示した。これは,ペットボトル内の大半を水が占めているものである。しかし,子どもたちの考えは空気膨張のみであり,だれ一人として水が膨らむと考えた子はいなかった。
整理すると,「お湯で空気が温められ,空気が膨らみ水を圧し出した。」であり,その根拠は,「空気は温められると体積が増える。」「水は温められても体積は増えない。」であった。「水は温められても増えない。」という考えは,子どもたちの素朴概念である。
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ビデオクリップを活用し自分の考えを明らかにする
4年生の子どもたちは,これまでの学習においてデジタルカメラで撮影した物を使ってスライドショーなどのプレゼンテーションを作成した経験がある。
そこで,自分の実験の様子をデジタルビデオカメラで撮影し,発表に必要な部分を選び,教師が編集する。こうして作られたビデオクリップを使って,意見交換を行う。上の写真のように子どもたちの実験の内容が分かる静止画像を1画面に貼り付けた。自分の実験について説明するときにその部分をクリックするとビデオが流れるようにしている。
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できあがったビデオクリップを使い代表児童と教師によるモデリングを行い,これからの進め方について全体で学んでいった。
交流の際に,各自胸に自分の実験内容が分かる写真をつけることで違う実験をした子どもとの交流ができるようにした。
交流の一例を挙げると,空気の膨らみを体積に置き換えて調べた子どもは,
「ぼくは,空気が膨らんだものを別のビーカーにとりました。水のかさに置き換えると40mlありました。実験の様子を見てください。また,これを見てください。実験の結果から水も膨らむことが分かりましたが,水は,空気に比べるとあまり膨らみませんでした。このことから,鯨が潮を吹くのは,空気が温められて膨らみ,水を圧し出したと言えます。」
と他の子どもに説明していった。それを聞いた子どもは,
「この方法だと,空気の膨らみについてよく分かるよ。これだったら,空気の膨らみが潮吹き鯨の秘密といえそうだよ。」
と説明に対して納得していた。
他の子どもたちも同じように相手を捜し自分の結論について説明していった。
このように,交流を行うことで自分の考えについての妥当性を問うことができ,自分の考えについて自信を持ったり,修正したりしていった。さらに,一斉の場で自分たちの考えを発表し合うことで,学級の結論を見いだすことができた。
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