1.はじめに
「てこ」の活用は,子どもたちの日々の生活な中で多様に体験はしているが,それを科学的な見方でみていくことやどうしてなのかという疑問や不思議さを追究していこうとすることは少ないようである。
また,「てこのはたらき」の中で規則性を求める場合に活用される,[重さ]×[距離]の立式を求めることがあるが,この立式も実は子どもたちは理解しているのではないかと思われることがある。
よって,ここで考えてみたことは,1つは子どもたちが何気なく体験していることを科学的な見方や考え方にどのように変換できるか,「ものづくり」を通して究明する。もう1つは,規則性を見い出す立式を作り出す思考力が「ものづくり」を通してどのように身に付いていくかを検証してみた。
2.実践の流れ
(1) | 事前調査より
算数科における「比例・反比例」の学習で,「てこ」の内容が取り扱われる場合がある。これは,「重さ×距離=一定」となることから,この関係式は反比例の関係である。この関係を表から見いだしたりしながら計算で答えを求めることがある。子どもたちの中には,この問題を理科の「てこ」の単元を学習しない場合でも解決できる子がいる。現に本校の子どもたちの中でも約半数は答えを出せたし,ほとんどの子どもがヒントを与えると立式できた。
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(2) | 体感の重要性
「てこ」を使えば重い物も小さな力で動かすことができる。このことは,子どもたちは何気なく気づいているようである。このことが科学的な見方になるための一方策としては,やはり体感が大切であり,その体感したことを自分なりに科学観に置き換えることが重要だと思われる。そのためには,体感したことを科学的に何かの事象に置き換えてみることが有効だと思われる。
○ | 重さの感覚がつるす場所で変わる場合,どのように変わっていくかまとめる。 |
○ | 重さの違いを「ものづくり」の時に活用する。 |
○ | 友だちの考えを自分なりに考えを整理し,自分の考えに置き換える。 |
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(3) | スゥィーティーの重さを量ろう【ものづくりの実際】
○ | どこが重く感じるか体感し,支点・力点・作用点の位置づけを理解した上で「ものづくり」を行う。 |
○ | 重さ×距離=一定の立式は理解している。 |
◎ | 以上の学習内容を生かして,「ものづくり」を行い,そのことでより深いわかりにつながるようにした。 |
「ああそうか:納得」 「なるほど:理解」 ・・・・
まずは,かごの重さを量ります:計算で。 次にスゥィーティーをのせます。 |
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友だちと工夫しながらつり合わせます。つり合ったら簡単な計算で求められます。 |
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3.おわりに
重さ×距離=一定の立式が十分理解できていれば,さおばかりは簡単にできた。
一方を100gにし,支点から10cmにするなどの工夫をすれば距離を10倍すればすぐに重さを見いだすことができるなどに気づいたようだ。そのことで科学を生活に生かすことの便利さも納得し,てこのしくみにもより深いわかりになったようだ。
「ものづくり」の活動は,子どもの意欲化につながることはもとより,学習したことのまとめになり,さらに深いわかりになる。また,ものづくりをしながら規則性を見いだすこと「問題づくり」にもつながっていく場合もあることが今回の実践を通してわかってきた。
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