金、銀、銅は色がちがうので、見分けるのは簡単です。
しかし、色が同じなら、もしくは色が見えない状態なら、
見分ける方法はあるのでしょうか。
昔、異なる金属の見分け方について考えた人がいました。
古代ギリシャ最大の科学者、アルキメデスです。
アルキメデスはある日、
王さまから、職人に作らせた王冠がすべて金でできているか、王冠を壊さず
に調べるよう命じられました。
純金を渡して職人に作らせた王冠には、銀が混ぜられているという
うわさがあったからです。
そこでアルキメデスは、「浮力」を使って、
王冠がすべて金でできているかを調べました。
プールなど、水の中に入ったとき、私たちの体は浮きます。
このような水の中で物体に働く上向きの力を「浮力」といいます。
浮力の大きさは物体の重さには関係ありませんが、体積(物体の大きさ)には関係があり、
水の中にある体積が大きいほど、浮力も大きくなります。
アルキメデスは、王冠と同じ重さの金塊と、王冠を用意しました。
そして、2つを天秤棒につるし、バランスをとったあと、水の中に王冠と金塊を
入れました。すると、それまでバランスを保っていた天秤棒は傾いてしまいました。
どうして、天秤棒は傾いたのでしょうか。
答えは簡単です。
王冠と金塊の体積がちがっていたからです。
同じ性質で同じ重さのものは、形がちがったとしても、同じ体積になります。
それは密度が同じだからです。
密度とは、物質1㎤あたりの物質そのものの重さのことです。
例えば、金の密度は銀の密度の約2倍です。
そのため、同じ重さの金と銀を用意すると、銀の体積は金の体積の約2倍になります。
密度は物質によって決まっているため、同じ重さの同じ金属は同じ体積になります。
傾いた天秤棒は、王冠がすべて金で作られたものでないことを示していました。
アルキメデスは、このように物質の密度のちがいに注目して、異なる金属を見分けたのです。
さらに、こんな問題も考えてみましょう。
世界最大規模のスポーツの祭典であるオリンピックは、古代ギリシャで始まりました。
古代ギリシャでは、他国との戦いなどで亡くなった英雄たちをたたえるために、彼らの墓の前で、供養のための火をともし、
運動競技を行っていました。それを「墓前競技」と呼びます。各地で行われていた墓前競技が次第に大きくなり、ギリシャ最大の祭典になって、オリンピックへとつながっていったのです。
現在のオリンピックの聖火は、古代ギリシャの儀式でもちいられていた方法にのっとって点火されています。
では、その方法とはどのようなものなのでしょうか。
古代ギリシャには、マッチもライターもありません。聖火は、太陽光を利用してともされていました。
光には、「まっすぐ進む」、「鏡などに当たるとはね返る」といった性質があります。
また,光はまっすぐ進みますが,光の束には,平行に進む平行光線と,広がっていく拡散光線の2種類があります。
一般的に,太陽のように遠くから来る光ほど平行光線に近くなり,部屋の電気のように近くから来る光は拡散光線になります。
虫めがねを使って紙の上に太陽光を集めると、紙が焦げますが、それは、虫めがねに使われている凸レンズ(まわりより中心が厚くなっているレンズ)が、平行光線を1か所に集めることができるレンズだからです。
太陽光には、光を重ねるとより明るくあたたかくなるという性質があり、太陽光が1点に集中すると熱が発生します。
オリンピックでは、この虫めがねを使って太陽光を集めることと同じ仕組みで、聖火の点火を行っています。
オリンピックの聖火は、オリンピアにある祭壇で、凹面鏡という鏡を使って太陽光を集め、火がつけられています。
凹面鏡とは、一般的な鏡のように平らではなく、中央部がへこんだように曲がっている鏡のことです。
その曲がった鏡の面に太陽光が当たると、太陽光は反射し、1か所に集中します。
すると、虫めがねで太陽光を集めたときと同じように、太陽光の熱が集まって温度が高くなり、火がつくのです。
そうして、点火された聖火は、リレーによってギリシャにある古代オリンピアの遺跡から、
オリンピック開催地まで国境を越えて運ばれます。
オリンピックは4年毎に開催されるので、
2020年の夏季オリンピックの次は2024年に開催されます。
2024年7月20日にオリンピックの開会式が行われるとして、
その日が何曜日なのかを、2024年7月20日が2019年7月24日の何日後に
あたるのかを計算して、調べてみましょう。
まず、2019年7月の残りの日数を計算します。
7月は全部で31日間あるので、31-24=7で、残りは7日間です。
次に、8月以降の2019年の残りの日数について調べます。
7月の残りの日数と8月以降の残りの日数をあわせると、
2019年の残りの日数は、7+31+30+31+30+31=160で、160日間です。
続いて、2023年までの4年間の日数を計算します。
2023年の12月31日までの日数は、366+365+365+365=1461で、1461日間です。
そして、2024年の1月1日から7月20日までの日数を計算します。
これに7月の20日までの20日間をあわせると、31+29+31+30+31+30+20=202で、
2024年7月20日までの日数は202日間です。
これらを合計すると、
2024年の7月20日は、2019年7月24日から数えて1823日後ということがわかります。
では、1823日後が何週間後になるかを計算しましょう。
1週間は7日間あるので、1823を7でわります。
1823日後は、260週と3日後ということがわかります。
2019年の7月24日は水曜日、260週後ももちろん水曜日です。水曜日の3日後は土曜日なので、2024年7月20日は土曜日です。
このようにして、ある日が何曜日なのかを調べるには、残りの日数を計算していく方法のほかに、
ドームズデーという1年を通して同じ曜日になる特定の日を利用する方法などがあります。