数学トピックQ&A
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グラフの平行移動
Q  「2次関数のグラフ」の最後のページ〔「数学I」(007) p.74「新編数学I」(009) p.100〕に,発展として,次の説明があります.
 「関数 yf (x) のグラフを,x 軸方向にpy 軸方向に q だけ平行移動したグラフを表す関数は, yf (x) において,
   x x py y q
  を代入した
  y q f (x p )
 で表される。」
 しかし、この説明は、何回読んでもわかった気がしません。つまり、納得できないのです。
A  ちょっと説明がスマートになりすぎていますか。よけいなことは言わないという省エネの説明になっているのでしょうか。(数学では説明は,スマートであるほうが優れている)
Q  まず,「関数の yf (x) グラフC を,x 軸方向にpy 軸方向に q だけ平行移動したグラフをC' とする. C' 上の任意の点をP (xy)とし,この平行移動によって、点P に移動されるC 上の点をQ (uv) とすると,」とあります。
 最初の疑問は,C のグラフの式が yf (x) であるのに,C' 上の点に xy を使い、肝心のC 上の点には, xy ではなく,uv を使っていることです。これは教科書の方がミスプリントではありませんか。
A  あなたの疑問はもっともなこと。ここで悩んでいると、何回読んでもわからないはずです。
それでは、あなたの悩みを解決してあげましょう。次の説明を読んでみてください。
  yf (x) 上の任意の点をP (st) とおくと、次の式が成り立つ。
  t f (s)・・・・・・・・[1]
P (st) を
  x 軸方向に py 軸方向に q だけ平行移動した点をQ (uv) とすると、次の式が成り立つ。

   ・ ・・・・・・・[2]

よって、

   ・ ・・・・・・・[3]

[3] を [1] に代入すると、
   vq f (u p ) ・・・・・・・・[4]
したがって、点Q の座標を (xy) とすると、点Q の描くグラフの式は、
   y q f (x p ) ・・・・・・・・[5]
になる。

Q  [4] のところまでは、わかります。最後のところで、点Q の座標を (xy) とすると、点Q の描くグラフの式は y q f (x p ) であるというのは乱暴です。点Q の座標は Q(uv) にしてあったはずです。どうして uv xy になるのですか。
A  それでは次のように言い換えましょう。
  Q (uv) は,
   v q f (u p ) ・・・・・・・・[4]
  の関係を満たしている。
  つまり、
   y q f (x p ) ・・・・・・・・[5]
で、x u , y v とおくと,[4] になる。
 このことは、点Q (uv) が y q f (x p ) で表されるグラフ上の点であることを示している。
 だから,点Q の描くグラフの式は、 y q f (x p ) である。