数学トピックQ&A |
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不等式の記号 |
Q | 数の大小を表すのに>や<の記号を使っていますが,この記号はいつの頃から使われるようになったのですか. |
A | 現在使われている不等号>,<を最初に使ったのはイギリスのトーマス・ハリオット(T. Harriot 1560〜1621)であります.彼の死後10年後の1631年に出版された本で使われています. 当時はオートレッドの記号 (>),(<)がよく使われていました.この記号は,水平,垂直軸のいずれにも対称性がなく記憶するのが困難で,オートレッドの本の中でも混乱して使われていたそうです. 等号と不等号を一緒にした ,を最初に使ったのはフランスのピエル・ボーガー(P. Bouguer 1698〜1758)で,1734年の本に出ています. >や<の記号は,書かれてみれば,大小関係を一目瞭然に表している絵文字のような記号ですが,はじめに気がついた人は偉い人だと思います. 数学は,何世紀もかけて,文字や記号の使い方が工夫されて,学びやすく使いやすいものになっていることがわかります. |