数学トピックQ&A
数学目次へ
文字の歴史
Q  数式や方程式など文字を使って考える学問のことを代数学というそうですが,数学で文字を使いだしたのはいつの頃からですか.
A  数や量を表すものとして文字を使い出したのはそんなに古くからではありません.
 数や量を記号で表すことは古代ギリシアのユークリッドの「原論」にもみられますが,今日のような意味で使われるようになってきたのは16世紀になってからのようです.フランスのヴィエト(1540〜1603)が「解析論入門」という書物の中で,
    既知の量は子音(bcdf ……)
    未知の量は母音(aei ……)

というように記号の使い分けを始めました.
 その後,哲学者で数学者であったデカルト(1596〜1650)は「方法序説」(1637)の付録の「幾何学」の中で,

    既知の量はアルファベットの前の方の文字abcd
    未知の量はアルファベットの後の方の文字xyz

を使うようになり,現在もこのような使われ方が続いています.