数学トピックQ&A |
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主な倍数の見分け方 |
Q | 教科書数学 I(啓林館)の17ページには,52=25, 152=225,252=625……のように,下1桁が5の自然数を2乗すると,下2桁が25の倍数になることの理由を書いてありますが,これに関連して,小学校の算数で,9の倍数を見つける方法を習いました. たとえば,4851では,4+8+5+1=18は9の倍数だから,4851は9の倍数になる.(実際,4851÷9=539です) このように,「各位の数の和が9の倍数になっていると,もとの数は9の倍数である」小学生の頃は,おもしろいけど不思議だなと思っていましたが,これも数学的に正しいことですか. |
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A | この9の倍数の性質は,九去法という名で,古くから知られていました.このことは次のようにして証明できます. 4桁の自然数N で1000の位の数をa,100の位の数をb,10の位の数をc,1の位の数をd とすると,もとの自然数はN =1000a +100b +10c +d となります. ところで,1000=9×111+1,100=9×11+1,10=9×1+1だから, N =(9×111+1)a +(9×11+1)b +(9×1+1)c +d =9×111×a +9×11×b +9×1×c +(a +b +c +d) =9×(111×a +11×b +1×c) +(a +b +c +d) 9×(111×a +11×b +1×c) は9の倍数になっているから,a +b +c +d が9の倍数であると,N が9の倍数になることがわかります.
主な倍数の見分け方をまとめて挙げておきましょう.
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