数学切り抜き帳 |
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重複組み合わせの数 |
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桜花学園大学教授 岩井 齊良 |
異なる n 個のものから重複を許して r 個のものを取り出す場合の数 nHr は,公式
nHr = n+r-1Cr
によって求められる。この公式を説明しよう.
● 自動販売機による説明
それぞれの図柄のボタンを押すと,ボタンの下からそのジュースが出てくる.
これを次のイラストで示す.
○ はジュースを表す.| は3つの取り出し口の間の仕切りである.
2個の | と5 個の ○ の並べ替え
のすべてが挙げられている.
2+5C5=21
である. 自動販売機で売られるジュースの種類が n で,取り出すジュースの数が r のとき,ジュースの取り出し方は,
n-1 個の │ と r 個の ○ の並べ替え
で表される.ジュースの総数が r で,仕切りの数が n−1 である.
n+r-1Cr
である.
以上のことから,
という1対1対応が成り立つ.
nHr = n+r-1Cr
となる. ここでは,公式 nHr = n+r-1Cr を覚えるのではなく,重複組み合わせと○|の並びとの1対1対応も覚えよう. ● 自然数解
X+Y+Z=8
となる自然数の解 (X,Y,Z) の個数について考えてみよう.
この答は次の21個である.
この場合の数を求める方法として次のモデルを考えよう.
8個の○を並べる
○○○○○○○○
8個の○の間には7個のすき間がある.
これらのパターンが上の和と1対1に対応している.つまり,
という1対1対応が成り立つ.
7C2=21
である.
という1対1対応が成り立つ.
N-1Cr-1
である.
● 自然数解,非負整数解,重複組み合わせ
[1] X1+X2+X3+…+Xr=N, X1,X2,X3,…,Xr は自然数
という方程式の解 (X1,X2,X3,…,Xr ) について考えた.
[2] x1+x2+x3+…+xr=n, x1,x2,x3,…,xr は0以上の整数
という方程式の解 (x1,x2,x3,…,xr ) について考えよう.
(X1−1)+(X2−1)+(X3−1)+…+(Xr−1)=N−r つまり,n=N−r とした [2] の解
(x1+1)+(x2+1)+(x3+1)+…+(xr+1)=n+r つまり,N=n+r とした [1] の解 |