数学切り抜き帳
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連続整数の積和
桜花学園大学教授
岩井 齊良
 次のような級数について考えてみよう.

   1・2+2・3+3・4+……+n(n+1)
   1・2・3+2・3・4+3・4・5+……+n(n+1) (n+2)
   1・2・3・4+2・3・4・5+3・4・5・6+……+n(n+1) (n+2) (n+3)

 ここではこれらの和を連続整数の積和と呼ぶことにしよう.

 これらの和の求め方は多くの参考書に書いてある.諸君のうちには知っている人も多いだろう.しかし,もっと簡単でわかりやすい解答があることを紹介しよう.
 実は,これらの解答はパスカルの三角形の中に隠されている.

 パスカルの三角形をよく見ると,次のように斜め左下に続く数列の階差数列(赤字)はその1段上の数列(青字)になっている.

したがって,

134 13610 1361020 136101535

となっていることがわかる.

 これを一般化すると次の公式が成り立つ,

 左辺の級数の第 k 項は,

   

である.右辺の分子が k より始まる r 個の連続整数の積であることに着目しよう.

   

 こちらの分子は n から始まる r+1個の連続整数の積である.
 よって,

   

とくに,次の等式が成り立つ.