整式 P (x ) を2次式 (x−α)(x−β) (α≠β) で割った余りの式を求めよう.
解法1 P (x ) を (x−α)(x−β) で割ったときの商をQ (x ) ,余りを sx+t とおくと,
P (x ) =(x−α)(x−β)Q (x )+sx+t
x=α とおくと, P (α) =sα+t
x=β とおくと, P (β) =sβ+t
よって,
求める式は,
□
解法2 y = P (x ) のグラフ上の2点 A(α,P(α)),B(β,P(β)) を通る直線の方程式は,
整式
は x =α とおいても,x =β とおいても 0 である.
したがって,この式は x−α でも割り切れ,x−β でも割り切れる.
つまり,この式は (x−α)(x−β) で割り切れる.
よって,求める式は,
□
(注) |
解法1は,答に関する情報はなにもないものとしてゼロから考えた解法である.
これに対し,解法2は答を知っているかまたは答を予想して証明をつける解法である.
つまり,解法2は答の方から解答を迎えに行く方法である.
一般には解法1が好まれるが,筆者の好みは解法2である.
そのわけは,一度知った知識は情報としてファイルしておくのがよく,情報のファイルを呼び出すときは正しいことを再確認する(この場合は証明をつける)だけでよい.
再確認のためにはもっとも効率の良い方法を選ぶがよい.
再確認は,情報をいつまでも保存しておくことに役立つ.
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ここで得られた情報は次のように覚えておくとよい.
整式P(x) を2次式 (x−α)(x−β) (α≠β) で割った余りの式は,2点 (α,P(α)),(β,P(β)) を通る直線を表す1次式である
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問1 |
x3 を (x−1)(x−2) で割った余りの式を求めよ. |
(解) |
問2 |
x4 を (x+1)(x−3) で割った余りの式を求めよ. |
(解) |
問3 |
3x2+2x−4 を (x−1)(x−2) で割った余りの式を求めよ. |
(解) |
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