数学切り抜き帳 |
|
三角形の中の放物線 |
|
桜花学園大学教授 岩井 齊良 |
放物線 y=x2 上に2点 A,B をとり,この2点における接線と直線 AB が決める三角形に着目する.
A,B の座標を A(x1,x12),B(x2,x22) とすると,A,B における接線の方程式はそれぞれ, y = 2x1x − x12
となる.
となる.
ここで,
だから,点 P は線分 CM の中点である. そこで,AC の中点を Q,BC の中点を R とすると,点 P は線分 QR の中点である. x1+x2 である.この値は点 P の x 座標の2倍だから,点 P における接線の傾きと一致する.したがって,直線 QR は点 P における接線である.
これまでに分かったことをまとめると次のようになる. さて,ここまでは高校生諸君に分かりやすいように計算をしながら説明してきたが,同じことを計算をしないで証明してみよう.
計算をしないといっても,最小限の計算は必要である.
2つの接線の交点は C0 で,三角形 A0B0C0 について上のことがら (1) 〜 (6) が成り立つことは明らかである. |