授業実践記録 | |
数学 I ・指導上の工夫 −三角比の導入と定義− |
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茨城県立土浦湖北高等学校 荒井豊水 |
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1.はじめに
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数学嫌いが増えていると言われているなか,必修である数学TAについては指導する上で苦労が多い。本校または前任校でも,かなりの生徒が数学に苦手意識を持っていた。 特に三角比については,中学時代には全く触れていないので,生徒はますます敬遠する傾向にあった。この分野は,覚えることも多く苦手意識をもった生徒も多かったので,なんとか理解しやすい指導方法はないかと考えていた。今回書くのはその方法のひとつであり,先生方の意見を聞いてこれからも工夫を重ねたいと思っている。 |
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2.指導例
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[1] 三角比の導入と定義 教科書における三角比の導入は,次のようなものである。
[2] 定義と基本的問題の解法
これが生徒には分かりにくい。
あわせて,辺の順番を覚えさせるのが重要である。 この定義を利用すると,基本問題の解法は次のようになる。
定義をしっかり覚えていれば,上記の問題も混乱することなく解ける。 |
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3.最後に
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これまで書いてきたことは,もちろん新しいことでもなく,このような指導をしている先生もいるであろう。また,もっと工夫された指導方法を実践している先生方もいると思う。 私自身,数学ができる喜びを生徒に教えてあげたいと,試行錯誤を繰り返している。そして,優れた指導方法をいろいろと知りたいと考えている。今回は先生方の意見をいろいろ聞かせていただき,そのような指導法を知るきっかけになればと思っている。 テレビ番組の「伊東家の食卓」のような,『今まで大変だったことが,ちょっとした工夫で簡単にできるようになる』ことが,数学の授業の中にもあると思う。そういうことを,これからも勉強していきたいと思っている。 |