授業実践記録 | |
クラスの中に同じ誕生日の人がいる確率は? |
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大阪府立長吉高等学校 藤井一正 |
「確率」の内容は,生徒自身の経験(≒思い込みや先入観?)に左右されことが多い. 「席替えのくじ引きは,先に引いた方がよlいとか?」 「掃除当番を決めるくじ引きは,後に引いた方が得とか?」 「○○君は,このようにいうけど,私の場合は・・・・??」等々 そのため,「授業で扱う個々の結果は,意外な結果だ.」と感じることが多いようである.先入観に束縛されないようになるには,少々難しいものがあるようだ. 「同じクラスの中に,誕生日が同じものがいる.」というのは,まず,めったにいないだろうという先入観がある.これも,意外だと感じる生徒が多い話題であろう. たとえば,1クラスの生徒を40人,1年を365日とし,1年のどの日に生まれることも同様に確からしいものとする. 高校の1学級のわずか40人くらいの中に生まれた月も日もまったく同じ人がいるというのは,珍しいことのように思われる.クラスの中の2人の生徒の誕生日が同じになる確率は であるから,クラスの中に同じ誕生日の人がいる確率はそんなに大きくはないと思われる.ところが実際に調べてみると,意外にそういう人がいるものである. このことを確率の面から調べてみよう. いま,生徒をa1,a2,a3,・・・・,a40とし, a2の誕生日が,a1と異なるという事象をA2, a3の誕生日が,a1ともa2とも異なるという事象をA3, a4の誕生日が,a1ともa2ともa3とも異なるという事象をA4, ・・・・・・・・・・・・ とする. それぞれの確率P(A2),P(A3),P(A4),・・・・は次のようになる. P(A2)= P(A3)= P(A4)= ・・・・・・・・・・・・ P(A40)= = これから,a1,a2,a3,・・・・,a40の誕生日がすべて異なる確率pは, p= ×××・・・・・× = ≒0.109 a1,a2,a3,・・・・,a40の中に,誕生日の同じ人がいる確率qは, q=1−p ≒0.891 ということになり,およそ90%の確率で誕生日の同じ人がいると断定できるのである. 40人の場合の余事象と同様にして,n 人の場合の余事象の確率は, と表される. これによって,自分のクラスの確率や,学年全体の確率を計算してから,実際の結果を調べてみるとよい.電卓やパソコンを利用すると簡単に求められる. 人数を変えて,誕生日の同じ人がいる確率を求めると,以下のようになる.
終わりに |