情報教育の目標は,大きく3つに分類されているが,さらに詳しく整理すると次の7つのカテゴリーに分けることができる.
ア:情報活用の実践力
(1)情報の表現とコミュニケーション
(2)課題解決における主体的な情報活用(収集・表現・創造・発信・交流)
(3)情報手段(情報メディア,コンピュータ,ネットワーク)の適切な利用
イ:情報の科学的な理解
(4)情報手段の仕組みや特性の理解
(5)情報処理や情報技術,人間の情報認識に関する基礎的な理論と方法
ウ:情報社会に参画する態度
(6)情報に対する態度
(7)情報モラル・情報発信の責任
それぞれについての具体的な目標リストは,すでにWebページなどで公開されている(たとえば,http://www.kayoo.org/sozai/).この内容は,文部省から近く出される「新・情報教育の手引き(仮称)」にも掲載されることになろう.たとえば,情報活用の実践力の(2)課題解決における主体的な情報活用は,さらに,「問題の発見と計画」「情報の収集」「整理・分析・判断」「発信・伝達」の4つのプロセスに分かれる.しかし,これは評価の視点が分かれるのであって,学習活動そのものは,これらのプロセスを複数個含んで,スパイラルに,いく度も繰り返しながら進んでいくように設計されなければならない.
さて,この4つを,ひとつの学年(ここでは小学校5・6年生)に限って捉えてみると,たとえば,「課題解決における情報活用」における目標は,
【問題の発見と計画】自ら課題を見つけ,見通しを持って活動することができる
【情報の収集】課題解決に必要な情報を,情報手段を活用して収集する
【整理・分析・判断】集めた情報を分析し,適した方法でまとめることができる
【発信・伝達】伝えたいことを明確にして,相手にわかりやすく伝える
ということになる.
このように,学年の長期の目標が明確にされると,個々の子どもたちへの評価の指標にもなるばかりでなく,教師は,日々の学習活動から,上記の目標がどの程度達成されているかを観察し,学年末には評価を子どもたちにフィードバックすることができる.また,「情報教育のねらい」として,通知表などに記入することもできる.
情報教育の実践に備えて,今まさにこのような支援が進んでいる.これらの情報は,これからは冊子ではなくインターネットに公開されるようになる.教師自身に,情報活用の能力が必要な理由がここにもある.
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