情報授業実践記録 |
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情報科学教育とPBL(問題解決学習)を |
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京都市立堀川高等学校 情報科 |
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1.はじめに
−本校専門科目「探究基礎」の概要− |
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本校は,普通科の他に専門学科「探究科」を設置している。専門科目「探究基礎」は本校探究科の中心科目であり,配当学年は1年〜2年前期(1年半)である。 「探究基礎」は週2時間の授業と課外活動で構成されている。内容は表1の通りである。
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2.ISEC-SeTの内容
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情報ゼミでは,ISEC-SeT(Information Science Education Curriculum Based on PBL with Squeak eToy)というカリキュラムを実施している。ISEC-SeTは,前半6ヶ月と後半6ヶ月の2部構成である。カリキュラムの流れを図1に示す。
前半の6か月(表2)はオリジナルのテキスト(図2)を用いて Squeak eToy と Excel VBA のプログラミングの基礎を実習形式で習得する。ISEC-SeT の最大の特徴は,Squeak eToy を導入している点にある。もともとは初等教育向きに開発された Squeak eToy であるが,著者が高校の情報科学教育に初めて本格導入したところ,PBL 環境として適していることがこれまでの研究で示唆されている。 図 1 ISEC-SeTの流れ 図 2 テキストの一部 表 2 ISEC-SeT前半6ヵ月の内容 後半の6か月(表3)は,生徒自身が問題(課題)を設定し,コンピュータを活用してこれを解くという課題研究を行う。その過程や結果を論文(研究レポート)にまとめ,ポスター形式で発表することが最終目標である。ここでは教員はサポート役となり,適宜面談やディスカッションを通して進捗管理を行い,生徒の主体的な活動を支援する。 表 3 ISEC-SeT後半6ヵ月の内容 2007年度2年生の研究レポートのタイトルを表4に示す。
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3.評価
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「探究基礎」におけるゼミ活動の評価は,授業への取り組みの様子と成果物を総合して行っている。成果物としては,全ゼミとも共通して,前半のレポート提出2回,後半に中間発表と研究成果発表(ポスター発表),及び論文(研究レポート)を,各ゼミを担当する複数の教員が評価している。 |
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4.終わりに
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本校の「探究基礎」は,まず情報活用の実践力(「4つの力」)の基礎を身に付け,それをゼミ活動で実際に活用し,生徒自身が設定した課題の研究レポートを完成させてポスター発表するという流れが構築されている。 生徒自身の自主性を尊重するため,教員は生徒とのディスカッションを通じて研究の進捗をコーディネートする必要がある。筆者はこの授業を5年間続けてきたが,毎年異なる状況が生じるため悪戦苦闘しながら進めている。しかしながら,常に違うもの,新しいものが生まれるからこそ,教員も生徒と一緒に学ぶことができる。教員側の学ぶ姿勢が常に問われる授業であるが,とても刺激的なカリキュラムであるとも言えよう。 |