情報授業実践記録 |
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教科「情報」としての授業1年を終えて ―パソコン技術習得の授業とならないための工夫― |
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愛知県立豊田南高等学校 花井和志 |
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1.はじめに
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いよいよ教科「情報」が始まった。この教科立ち上げに向けては、「情報活用の実践力」「情報の科学的理解」「情報社会に参画する態度」の3つの目標をはじめとして、教科新設の背景や意義について各地で講習会・講演会・研究会が行われた。私もそういった会に参加し、「期待されるべき生徒像」について自分なりのイメージを描くことができた。ただし、その具体的な授業展開となると??であった。ややもすれば、巷で言われるような「パソコンのスキル習得」(すなわち、EXCELができるようになるetc)になってしまいそうだったからだ。 |
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2.授業実践
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そこで、「新しい技術に対して、その特性を理解しながら物怖じせずに正しく積極的に活用しようとする姿勢を培う」ことを目標として、今年は特に次の2つの点に留意した。
(1)ソフトウェア使用法の解説は行わない。
(2)実習の題材は生徒たちにとって価値のある内容とする。
[1]WORDによる自己紹介文作成
[2]PowerPointによる「英語版学校生活紹介」作成
[3]職業・学問・学部学科・大学研究
[4]南高校のトリビアの種を探せ
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3.さいごに
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この1年間は不安だらけだった。不意の機器のトラブルも頻繁だった。ネットの接続速度が遅く、検索も十分に進められなかった。実習授業(生徒たちが授業中に話をするためどうしてもざわつくのだが)にもなかなか慣れなかった。しかし、すべては生徒のやる気の高さに救われたように思う。(教室移動も早く、いつも授業3分前にはPC室で着席していた)年間を通じて「新しいモノにも積極的に挑戦していく姿勢」を強調してきたが、そういった意識は高まったように感じる。(当然、倫理面も強調したが) 現在、私たちは、短い講習会で情報の免許を取得し授業を行っている。自分なりに努力はしているが、一方で素人っぽさは隠せない。今後は、「情報教育学」(たとえば「情報学的な見方・考え方」とか)が系統的に研究され、より効果的な授業展開が実践できるようになることを期待したい。 参考 (1)PC教室 ・ノートPC40台(Win98…20台,WinMe…20台) ・教師用ノートPC(WinXP)1台,デスクトップ(WinXP)1台 ・ファイル用サーバ(Win2000) ・プロジェクター1台 (2)授業形態 ・1クラス40名、ティームティーチングで実施。 ・教師用PCの画面をプロジェクターで提示。 (3)入学時に調査した生徒のPCリテラシー結果 ・ワープロソフトを利用したことがない生徒…約1割 ・表計算ソフトを使用したことがない生徒…約4割 ・ プレゼンテーションソフトを使用したことがない生徒…約8割 |