『つながり』をキーワードとする学校づくり
【学校紹介】
高槻市の東部に位置し,北に梶原山,南に淀川(鵜殿)がある自然豊かな校区である。また,明治6年創立で,136年の歴史があり,代々,本校に学んだ保護者や地域の方々に愛され,支えられ続けられている学校である。
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<鵜殿より梶原山を望む> |
【本校の教育計画】
【本校校の特色】
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複数の目で子どもたちを育てるシステムにする。 |
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「いきいきスクール」を活用した,高学年の教科担任制を追求する。 |
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特別支援教育の視点を取り入れた集団づくり・授業づくりを目指す。 |
1.教職員のつながり
【学校運営組織】
本校では,企画部,人権教育推進委員会が学校運営の中心的な機関として動いています。児童生徒支援加配教員がキャップとして積極的に企画・立案・及び推進に関わり,学校としての研究や取り組み,教育課程の編成等のコーディネーター役としての役割を担っています。また,緊急時には拡大推進委員会を開き,対策を協議しています。
大阪府の同和教育研究調査校及び高槻市人権教育研究学校として,子ども達の集団づくりや人権感覚を高める取り組み,人間関係づくり,地域に根ざした総合的な学習の研究を進めています。
少人数加配教員がキャップとなり,特別支援教育の視点を取り入れた授業づくりに取り組んでいます。児童の実態把握をしっかりと行い,一人一人に応じた支援の仕方を研究しています。また,学力実態テスト等からわかった課題についての学力保障の方針を検討し,実践しています。
特別な教育的ニーズのある児童の実態把握に努め,適正な教育の在り方を特別支援教育コーディネーターが中心になって進めています。昨年度まで文部科学省の研究開発校の指定を受け,「通常の学級に在籍するLD等の児童を含めて障害のある児童のための適切な教育課程の編成及び弾力的な指導方法・支援体制の研究」を研究開発課題とし,特別な支援を要する児童も含めて,全ての児童が「共に生きていく」ということを大切にして,取り組みを進めています。
いじめ・不登校問題の未然防止対策をはじめ,校内・外でおこる様々な事案を集約し,対応や改善,予防の方法などについて協議・検討しています。部の中心を担う養護教諭・生活指導担当教員・児童生徒支援加配教員が全ての学級・学年担任と連携をとりながら迅速に対応できる体制として機能しています。
2.校区・地域のつながり
五領小学校の教員が五領中学校・上牧小学校に行って授業をしたり,五領中学校の教員が五領小学校・上牧小学校に行って授業をしたりするなど,各校の兼務教員が五領中学校区の学校を行き来して指導することを「いきいきスクール」といいます。五領中学校区の三校が合い言葉「五領はひとつ」のもとに,人間関係づくり・人権教育をベースに義務教育9年間で児童・生徒を育てています。
【目標】
○ |
共に学び,進路を見据えた『生きる力』を育成する |
◇ |
小・中9年間を見通した教育課程の実施 |
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共に生きる力を育む指導 |
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体力の向上[体育] |
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学力の向上[算数(数学)・外国語活動(英語)]等 |
【意義】
○ |
小・小・中兼務教員を要に,五領中学校区全体として,小・中9年間を見通した教育活動を展開し,進路を見据えた『生きる力』を育成する。 |
1. |
体育・算数(数学)を中心に小学1年より中学3年までの9年間を展望した教育課程を実施することによって,小・中のいわゆる段差を解消して,体力・学力の向上を図る。 |
2. |
小学校5・6年で教科担任制に近い形を実施して,高学年の学習内容の多様化・高度化に対応した,「わかりやすく,楽しい授業」を創造するとともに,小・中において生活指導の連携を円滑に行うことによって個に応じた指導の充実を図る。 |
3. |
小・中兼務教員を要に小・中が連携した生活指導を行うことにより,共に生きる力を育み不登校・問題行動等の未然防止を図る。 |
【具体的な授業の交流】
1. |
体育 |
五領中 → 五領小(5年)・上牧小(5年) |
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五領小 → 五領中(2年)・上牧小(6年) |
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※成果を発表し合う場として「いきいき陸上記録会」実施しています。 |
2. |
算数 |
五領中 → 五領小(6年)・上牧小(6年) |
3. |
英語 |
五領中 → 五領小(5・6年)・上牧小(5・6年) |
五領地区の保幼−小−中の連携に大きな役割を果たしている「五領地区教育推進連絡会」は,今年で12年目を迎えている。地元にある五領保育所,ピッコロ保育所,五領幼稚園,上牧幼稚園,五領小学校,上牧小学校,五領中学校が連携して地域の全ての子どもたちを健やかに育てるために平成8年に発足しました。一人一人の違いを認め合い,共に育ち合う「人権教育」を基盤にしています。「五領はひとつ」を合い言葉に定期的に会議をもち,各校園の子どもの実態や取り組み等の交流を行っています。
3.文部科学省研究開発学校の取り組みを経て
本校では,平成17年度より3年間,文部科学省の特別支援教育研究開発学校の委嘱を受け,研究を行ってきました。研究を進めていくなかで,次の4点のことがわかってきました。この4つの視点を全体で確認しながら取り組んでいます。
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児童の実態把握をしっかりと行う。 |
一人一人の児童は特別な存在であり,教育的ニーズも児童によってちがいます。一人一人に応じた教育を行うためにも,児童の実態把握をしっかりと行わなければなりません。そのうえで,「個別の指導計画」を作成し,児童の目標(評価規準・評価基準)を明確にして,指導と評価の一体化を具現化しています。
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土台には学級集団づくりがある。 |
集団づくり研究部では,お互いに違いを認め合い,どの子にとっても居心地のよい学級集団づくりをめざして研究しています。社会的に人間関係が薄くなる中,授業として人間関係づくりを行っています。この取り組みの中で,同じ事柄に対して一人一人感じることは違うということや,自分の気持ちを正しく伝える学習を展開している。
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特別支援教育の視点で授業づくりを行う。 |
通常の学級での「交流及び共同学習」の時間に通常の学級担任が支援をしながら授業を進める力量をつけなければ,「交流及び共同学習」の時間において,その児童の教育権は十分に保障されません。そのため,特別支援教育の視点を取り入れた授業づくりについて研究しています。研究を行う中で,特別な教育的ニーズのある児童への支援がまわりの児童への支援にもなることを実感しています。
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教職員集団の連携が不可欠である。 |
児童の教育的ニーズに合わせて,特別な教育課程を組んでいます。特別支援教室では通常の学級での生活も念頭において学習を展開しています。特別支援教室でできるようになったことを通常の学級でも生かすことができるように特別支援教室担当者と通常の学級担任は少しの時間でも利用して児童の様子を伝えています。このように,会議としての時間以外の時間を利用して,児童にかかわる教職員がいかに連携するかが,大きなポイントだといえます。
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