新潟県 A教諭 |
階段状にしきつめた正方形のタイルを見て,伴って変わる2つの数量について調べる活動は昔からある問題である。以前は中学1年生「関数関係の意味」を理解させる指導で扱った。あえて3年間の「関数」学習の最後に扱うことで学び直しの機会とする。
この問題には,中学1年生「比例」,2年生「一次関数」だけでなく,3年生「関数y=aχ2」の関係になる2つの数量が含まれている。内部にある点線の線分の数について着目すると高校で学習する「二次関数」の関係も見いだすことができる。単純な図であるため,規則性や関係に気づきやすい問題である。図をかく作業時間を十分に確保して,関数関係を見いだせるよう促したい。
具体的な事象の中から伴って変わる数量を見いだし,それらの変化や対応を表や式を作って調べることを通して,いろいろな関数の特徴を説明することができる。
学習活動と教師の働きかけ | 指導上の留意点 □評価 |
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高さ
横の長さ
正方形の数
面積 まわりの長さ まわりの辺の数 まわりの2cmの線分の数 等 |
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①段の数と高さ |
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②段の数と横の長さ ③段の数と正方形の数 ④段の数と面積 ⑤段の数とまわりの長さ ⑥段の数とまわりの辺の数 ⑦段の数とまわりの2cm線分の数 ⑧段の数と点線の2cmの線分の数 |
□段の数が変わると伴って変わる数量を,意欲的に見いだそうとする。 |
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□表や図をもとにして式をつくり,段の数が変わっても成り立つことを説明することができる。
⑧y=3(χ−1) + 4(χ−1)(χ−2)÷2χに値を代入して,表の値と比べて,式が正しいことを確認する。 |
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□表や式を比較することを通して,いろいろな数量関係を変化と対応の特徴に着目して考察することができる。
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中学校数学科においては,2つの数量の関係を表や式等に表して,その変化や対応の特徴をとらえ,関数関係について調べることがねらいである。ここでは,中学校3年間「関数」の学習のまとめとして,関数関係についての理解を一層深め,事象の考察に生かそうとする態度をはぐくむとともに,関数の概念の広がりを実感させたい。