ア. |
本時のめあて めあてを「GPSを利用して学校を測量しよう」とし,GPSについての簡単な説明を行った。また,どの地点を測量すれば学校の敷地が明確にわかるか,それぞ
れのグループで測量するポイントを設定するように指導した。また,実際に測量を行うと「誤差」が出てくるが,それには触れずプロットの段階で生徒が気付くことを期待した。 |
測量中の生徒の様子
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イ. | 測量箇所
No. | 場 所 | 北 緯 | 東 経 |
1 | 体育館前の校門(南東角) | 32°01'(21.5)" | 131°18'(36.5)" |
2 | 郵便局前の角(北東角) | 32°01'(23)" | 131°18'(37)" |
3 | JA前の角(北西角1) | 32°01'(25)" | 131°18'(33)" |
4 | 時計台(北西角2) | 32°01'(24)" | 131°18'(32.5)" |
5 | 運動場の北西角(北西角3) | 32°01'(24.5)" | 131°18'(31)" |
6 | 運動場の南西角(南西角) | 32°01'(24)" | 131°18'(29.5)" |
7 | 運動場の南の出っ張り | 32°01'(23)" | 131°18'(29.5)" |
8 | テニスコートの南角(南東角1) | 32°01'(21)" | 131°18'(31)" |
9 | テニスコートの東角(南東角2) | 32°01'(20.5)" | 131°18'(32)" |
10 | 体育館の南(南東角3) | 32°01'(21)" | 131°18'(34.5)" |
11 | 体育館の東の角(南東角4) | 32°01'(22)" | 131°18'(35)" |
各班とも上記のような測定箇所を設定してハンディGPSレシーバーで測定し,それぞれのワークシートに記入を行った。
また,ハンディGPSレシーバーでは単位が秒までしか計測できないが,測定位置については秒が20〜21にすぐに振れるので,中間地点として0.5としてよいかと生徒から要望があげられた。
計測中の写真は,それぞれのグループに貸し出したデジタルカメラで撮影したものである。
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ウ. | プロット
グラフ用紙の縦軸に「緯度」,横軸に「経度」を取りそれぞれの最大値と最小値ができるだけ端にくるように目盛りを取るように指導した。
また,それぞれの測定地点を順にプロットさせ全体像を見ながら,学校の敷地の全体像を想像させながらプロットさせた。
上のグラフは上記の生徒が測定した位置をエクセルを用いてプロットしたものである。
このGPS測量の結果と学校の敷地(1989年航空撮影写真)を見比べると,運動場の部分が写真より小さくなっていたり,南側のラインが真っ直ぐだったりと自分たちが知っている地形との違いに首をかしげていた。
これらの結果をもとにどのように考えればよいか。また,なぜこのような写真との違いがあるか,考えさせることにした。
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エ. | 発展問題
「地球の赤道の1周の長さを4万kmとすると,1秒は何mになりますか」という問題を提起することによって,プロットによるグラフと写真との違いを考えさせることにした。
地球の1周の角度は,360゜であり,1度は60分,1分は60秒であることを確認して計算をさせた。
※ 緯度方向の1秒
40,000,000m÷(360×60×60)=30.864197m
※ 経度方向の1秒(約30゜として半径をの三角比を用いて計算)
40,000,000m×÷(360×60×60)=26.729178m
したがって,発展問題まで取り組んだ生徒には,測定の時に1秒違うと南北方向に約30.9m,東西方向に約26.7mの誤差がでることがわかり,測定位置でハンディGPSレシーバーを少し動かしただけで秒が動く場合の誤差が結構大きいことがわかったようである。
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