操作活動を取り入れた課題学習 −「カードを用いた問題づくり」− |
1.題材について 本時は問題づくりを取り入れた課題学習として2時間で計画した。2年生で計画したが,内容的には1年生でも可能である。 問題づくり学習は,問題の一部を変えたり,条件不足の問題や,問題を発展的に見ていくことにより,問題文の中のキーワードに気づいたり,既習事項を活用しながら問題をつくることにより,問題解決のための既習事項の活用のしかたや問題のもつ仕組み,さらに問題の背景を知ることができ,解決していこうという意欲が高まる効果がある。 このようなことは課題学習のねらいである『生徒の主体的な学習を促し,数学的な見方や考え方の育成を図るため,各領域の学習を総合したり,日常の事象に関連づけたりした適切な課題を設けて行う』にもあり,新しい学力観の「自ら学ぶ意欲や思考力,判断力,表現力」や,これからの数学教育の中でも大切な力となるものであり,生徒の主体的な学習を進め,学習意欲を高めるものである。 また,2年生のこの時期では,問題づくりに慣れていない生徒もいるので,「さあ,問題をつくりましょう」と課題を提示するのでなく,「縦が8p,横が6pのカードをいろいろ並べて周りの長さを調べたいと思います」という身近な場面から,教師が〔例〕として問題をつくってみせ,いくつか解決してから,生徒に問題をつくらせるようにした。 また,問題をつくる条件として,カードの縦,横の長さは変えずに,並べ方だけを変えて周りの長さを求めさせるというようにした。 〔例〕として教師が3通り示して多様な解決方法を追及した後,生徒に上記の条件を配慮して問題をつくらせる。 〔例1〕の問題を自分なりに解決した後,〔例2〕では答えが同じになるのでは,という予想を立てるが答えが違い,〔例3〕では答えが違うと思っていると,答えが〔例2〕と同じという意外性に気づかせたい。 また,この課題は11枚,100枚,n枚というように枚数を変えて関数的な問題をつくったり,示された周りの長さから並べ方を考えるという,位相幾何学的な図形の問題に発展させることもできる。 図形の証明の前に,実際のカードを操作して問題をつくるという体験を通して,図形の問題を移動という考えを利用して解決する方法の手助けにもなると考える。
2.本時の目標について
3.第1時の流れ(案)
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