周辺にはイギリス以外の研究者のレントゲン,キュリー夫妻,アインシュタイン,ボーアなどの紹介やサイクロトロン,ベータトロンなど加速器の実物もある。写真やパネルも用いての,電子の発見から最近の原子力および高エネルギー物理や素粒子物理にいたるストーリーの展開は,どんな教科書も及ばない。 |
宇宙船模型 |
イギリスは産業革命の始まった国でもあり,その関連の展示には圧倒される。近代技術史の宝庫ともいえる。新しいものとしてはフライト・ラボという航空力学体験実験室がある。 その他の展示では,化学,コンピュータ,宇宙科学などの新しい部門もあり,また,食品研究など社会生活に関連したことも目立つ。生物,地質を除くすべての科学,技術,産業の分野に及んでいる。歴史的なものと現在の姿との調和もよくとれている。全般的にいえることは,徹底した実物展示主義であるということである。また,これは他では真似のできない点であろう。本物に接する喜びがここにある。 |
売店も充実していて,大人向けから子ども向けまで数多くの科学図書,標本,教材などが広いスペースで販売されている。 この科学博物館に隣接して生物および,古生物の展示を主とした自然史博物館(特に大型ほ乳類の剥製や始祖鳥の化石は見もの),地球の歴史の解説や岩石・鉱物のコレクションの展示のある地質学博物館がある。時間があればこちらもぜひ訪れたい。 また,ヴィクトリア・アルバート博物館は美術工芸品の宝庫で,旧植民地関係の展示も多く,大英博物館とともに,かつての大英帝国の栄華を示す大規模なものである。開館時間は科学博物館に同じで入場料はいずれも5.5である。
なお,前々号(Vol.13)で「ニュートンが生まれたのはガリレオの死の翌年」と書いたのは誤りで,正しくは「同年」でした。訂正しておきます。 |