東海大学助教授 菊池 文誠 | |||||
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アメリカ(1) |
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国立航空宇宙博物館
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スミソニアン博物館の中でも最高の人気のある施設である。燃料を入れればそのまま飛べるといわれる240機にもなる実物の航空機,アメリカの開発した多数の宇宙ロケットと宇宙船,アイマックス劇場などがある巨大な博物館である。 展示の目玉となるものは1階の入口近くにある。有名な「月の石」は1972年にアポロ17号が持ち帰ったもので,手で触れることができるようになっている。この玄武岩はみんなが触るので表面がツルツルになっている。 動力を用いた世界最初の飛行機はライト兄弟によって作られたが,これもホールの天井から吊り下げられている。また,1927年リンドバークによって大西洋単独無着陸横断に成功した「スピリッツ オブ セントルイス」もある。 比較的新しいものでは世界初の超音速機,アメリカ初の有人宇宙船フレンドシップセブン,アポロ11号の指令船,中距離核ミサイルなど,飛行機と宇宙開発の区切りとなったものが展示されている。 一般の展示としては1階に旅客機や輸送機などの民間航空機,ヘリコプター関係,ジェット機,月面探査関係など。2階は各種軍用機にかなりのスペースが使われている。第2次世界大戦の戦闘機コーナーには,イギリスのスピットファイア,ドイツのメッサーシュミットなどと並んで日本の零戦もある。さらに宇宙開発関係の膨大な展示があり,ロケットの数々や火星,木星などの惑星探査機を見ると,アメリカがいかに国家の威信をかけて宇宙開発に取り組んでいるかがうかがえる。 また,この館では,教育用プログラムも準備されていて,学校の団体などに対していろいろな演示実験,紙飛行機の製作,飛行機の原理や宇宙関係の解説などを年間を通じて行っている。付属のアインシュタイン・プラネタリウムおよび,すばらしい臨場感のある立体映像「アイマックス」も一見の価値がある。3階は食堂,図書室,それに研究施設になっている。
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National Museum of American History |
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