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啓林館では、ノーベル賞受賞者で当社理科教科書著者でもある大隅良典先生をお招きして、2017年12月9日、「わくわく科学フォーラム in OSAKA ~未来へ伝えたいこと~」を開催しました。
当日は大隅先生より、若い世代へのメッセージをご自身の経験を踏まえてご講演いただき、「わくわく学習教室*」に参加してくれている子どもさんたちからの質問にも答えていただきました。また、飯田秀利先生との対談では、酵母(オートファジックボディ)の実物投影も行っていただきました。
以下、簡単ですが、当日の様子をレポートします。
当日は大隅先生より、若い世代へのメッセージをご自身の経験を踏まえてご講演いただき、「わくわく学習教室*」に参加してくれている子どもさんたちからの質問にも答えていただきました。また、飯田秀利先生との対談では、酵母(オートファジックボディ)の実物投影も行っていただきました。
以下、簡単ですが、当日の様子をレポートします。
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当日は大隅先生のご厚意で、ノーベル賞メダル公式レプリカをロビーに展示しました。
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* 2013年より啓林館大阪本社の多目的ルームにて「わくわく学習教室」を開設。近隣地域の子どもたちを対象に、これまで延べ1500人以上の方に学ぶことの楽しさを体験していただいています。
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大隅先生とは、東京大学で同じ研究室に所属されて以来のお付き合いで、大隅先生の後を引き継いで小学校理科教科書の編集委員長をしていただいている、石浦章一先生に、イントロダクションをお願いしました。
大隅先生のノーベル賞受賞の意義、特に、自然科学分野での単独受賞は非常に珍しいこと、また、未来の日本を担う子どもさんたちへの期待、大隅先生の理科教育への思いなどを、ユーモアを交えてご紹介いただきました。
大隅先生のノーベル賞受賞の意義、特に、自然科学分野での単独受賞は非常に珍しいこと、また、未来の日本を担う子どもさんたちへの期待、大隅先生の理科教育への思いなどを、ユーモアを交えてご紹介いただきました。
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石浦章一先生によるイントロダクション。大隅先生も、笑顔でお聞きになっていました。
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当日は、小学校から高校までの児童・生徒のみなさん、保護者の方、学校の先生方など、幅広い方にご来場いただきました。そこで、まず大隅先生は、「すべてがわかる必要はありません。わからないことがあるということを、楽しみにしてください」とおっしゃっていただきました。
ご講演では、子ども時代に遡って、どのようにして科学や生物学に惹かれたか、そして、酵母との出会いや、当時は「細胞のゴミ溜め」程度に考えられていた「液胞」に興味を抱き、「人がやらないことをやりたい」という思いから、研究を始めたきっかけを教えていただきました。
また、細胞内のタンパク質分解とその意味について、貴重な画像とともに、詳しくご解説いただきました。特に、2016年ノーベル生理学・医学賞の受賞理由となった「オートファジー(細胞の自食作用)」について、「飢餓下の生存に必須な、栄養素のリサイクル」と、「過剰なもの・有害なものの除去」の2つの主要な機能をご紹介いただきました。
最後に、「若い世代へのメッセージ」として、次の7つのメッセージを伝えてくださいました。
ご講演では、子ども時代に遡って、どのようにして科学や生物学に惹かれたか、そして、酵母との出会いや、当時は「細胞のゴミ溜め」程度に考えられていた「液胞」に興味を抱き、「人がやらないことをやりたい」という思いから、研究を始めたきっかけを教えていただきました。
また、細胞内のタンパク質分解とその意味について、貴重な画像とともに、詳しくご解説いただきました。特に、2016年ノーベル生理学・医学賞の受賞理由となった「オートファジー(細胞の自食作用)」について、「飢餓下の生存に必須な、栄養素のリサイクル」と、「過剰なもの・有害なものの除去」の2つの主要な機能をご紹介いただきました。
最後に、「若い世代へのメッセージ」として、次の7つのメッセージを伝えてくださいました。
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オートファジーについて、大隅先生ご自身が解説。小学生から大学の先生まで、熱心に聞き入りました。
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大隅先生からのメッセージ。ご自身の経験を踏まえて、貴重なメッセージをいただきました。
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このコーナーでは、総合司会の古川圭子アナウンサーにもファシリテイターとして参加していただいて、小学2年生から中学2年生まで、「わくわく学習教室」会員と卒業生の9人の子どもさんたちから、大隅先生に質問をしていただきました。
「私はいろいろなことに興味がありますが、1つのことに集中して勉強できるのは大切なことですか?」「もし違う研究をされるとすれば、どんな研究をしたいですか?」などの質問に、1人1人、真摯に向き合って答えてくださいました。
「私はいろいろなことに興味がありますが、1つのことに集中して勉強できるのは大切なことですか?」「もし違う研究をされるとすれば、どんな研究をしたいですか?」などの質問に、1人1人、真摯に向き合って答えてくださいました。
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子どもさんたちの鋭い質問、ユニークな質問に、時に答えに詰まりながらも、真摯に答えてくださいました。
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大隅先生が設立された「大隅基礎科学創成財団」理事で、「分子生物学者」と「小学校長」という2つのお立場のご経験をお持ちの、飯田秀利先生に、大隅先生とのご対談をお願いしました。
冒頭、酵母の「オートファジー」の現象を、その場で実際に、顕微鏡で見せていただきました。
ご対談では、大隅先生の教育や研究への思いとともに、大隅先生ご自身の子どものころのエピソードなども引き出していただきました。また、教育のお仕事の素晴らしさ・大切さにもあらためて触れていただき、ご来場の多くの先生方へ、エールをいただきました。
冒頭、酵母の「オートファジー」の現象を、その場で実際に、顕微鏡で見せていただきました。
ご対談では、大隅先生の教育や研究への思いとともに、大隅先生ご自身の子どものころのエピソードなども引き出していただきました。また、教育のお仕事の素晴らしさ・大切さにもあらためて触れていただき、ご来場の多くの先生方へ、エールをいただきました。
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酵母が入った容器を手にした飯田先生。(顕微鏡と投影装置の貸与・設置は、株式会社ニコン、及びケニス株式会社にご協力いただきました)
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オートファジーの途中で生成される「オートファジックボディ」が見られ、大隅先生に生解説していただきました!
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最後に「わくわく学習教室」を代表して2人の子どもさんから、大隅先生に花束贈呈をしていただきました。
終了後のアンケートでは、多くのお声をいただき、ありがとうございました。ここに一部をご紹介します。
終了後のアンケートでは、多くのお声をいただき、ありがとうございました。ここに一部をご紹介します。
当日は、お忙しい中、多くの方にご来場いただき、あらためてお礼申し上げます。当社では、これからも、さまざまなフォーラムを企画して、教育に貢献したいと考えています。
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子どもさんからのお礼の言葉と花束贈呈の後、握手をしていただきました。
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子にとって自信につながったと思います。(主婦)
知らない事をたくさん学べたのでとてもいい時間でした。(中学生)
自分も将来薬剤師になって研究の道に進みたいと思っているので
1つの事に限らず色々な事に触れようと考えました。(高校生)
実際の顕微鏡で説明されてよかった。 (会社員)