シェアする
1-1.ICTの浸透により社会がより良い方向へ変化する
DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉、なかなか馴染みのない言葉ですね。2019年東北大学情報学科のまとめた資料によると、DXとは「ICTが社会に浸透することで人々の生活がより良い方向へ変化する」こととしています。
たとえば市販の製品で集まったデータをもとに、さらに便利で効率的な製品を生みだすことはDX化のひとつのステップです。
1-2.進むICT化を支える人材育成
すでにビッグデータの業界間を超えた活用、AIによる自動化技術の進化、必要なときに必要なものを借りるサブスク化など私たちを取り巻く状況は大きく変化しています。
10年後、20年後、世の中はさらに変化しているはずです。この大きな変化に対応できる人材を育成することが初等中等教育や高等教育の現場で重要になっており、議題として取り上げられているのが現状です。
1-3.ICT環境の整備
小中学校、さらに高校にICT環境を整える動きが始まっていますが、イギリスやフランス、韓国などの国と比較して授業に積極的にITを取り入れる教師の数が少なく、デジタル教育の普及は進んでいません。
また教師の質だけではなく、ネット回線の整備やタブレット端末、電子黒板、電子教科書の準備など整備すべき点が多々あります。大きな費用がかかるため、教育現場のIT化は思うように進んでいません。
2-1.入学時の書類が簡潔になる
中学校や高校入学時に作成した資料をデータ化しておけば、学年があがるごとに毎年手書きで作成している個人データを、何度も作り直す手間がありません。
または保護者が書いた個人データを教師が手作業でPCに入力する手間がかかります。ところがIT化が進めばそういった入力の手間が省けます。
2-2.生徒の学習の進捗状況が一目でわかる
生徒にタブレット端末を貸し出すことにより、学習内容の進捗状況が一目で確認できます。
テスト結果のデータを教師側が閲覧することで「この生徒はこの単元が理解できていない」ことがわかるため、基本部分のポイント解説の情報を送ったり再テストをさせるなどの対策ができます。
またこれら情報をほかの教師間で共有できるため、生徒の教育指導はもちろん生活指導や家庭内の状況をチェックすることができきめ細かなフォローが実現します。
2-3.教師の働き方改革に役立つ
スマホやタブレットを使った情報共有は教師の事務作業の手間を省き、働き方改革に役立つと考えられています。専門職である教師が雑用に追われ、本来の仕事ができない現状を改善するため、DX化は大いに期待されています。
3-1.インターネット環境構築
IT化やDX化に必要なものに「インターネット環境」があげられます。学校にインターネット回線を引き込み、さらに教室で生徒1人1人がタブレットを仕様するためにLANネットワークを構築しなければなりません。
費用はもちろん専門業者の協力も必要ですし、不具合が発生したときは素早い対応が必要です。
3-2.人1人1台必要なタブレット端末
生徒と教師とを結ぶタブレット端末が1人に1台必要であることも課題です。タブレット端末は約5万円前後の費用がかかり、税金で購入し生徒に貸与するケースもあれば、生徒に1台購入させる学校もあります。
前者は財政的余裕のない地方公共団体では実現が難しく、後者は家庭の負担が大きくなり問題があります。
4-1.遠隔教育
過疎地や離島などの子供は地理的要因から学習機会が減ることもありました。ところがIT化が進めば、外国に住む教師や外部講師との交流が可能となり教育の幅が広がります。
英語はとくに発音指導が重要ですが、ネイティブ教師が直接画面越しに指導してくれるとわかりやすく、目と耳をフルに使って学習できます。また病気の児童や障害のある児童にも公平な学習機会が得られます。
4-2.AIドリル
すでに一部の中学校で採用されている「Qubena(キュビナ)」は、最先端のAI型ドリルです。
タブレット型のドリルで問題を解くと単元の理解度をAIが自動判定し、AIが最適な問題を選択してくれるものです。使えば使うほど個別最適化がすすむため、生徒に合ったAIドリルへとどんどん適応していきます。
4-3.ビッグデータの活用
全国の生徒から集められたデータ(学習面・生活面・個人データなど)を活用し、教科書の学習効果検証や良質な学習リソースの開発に役立て、さらに学習指導要領に反映させるなどの使い方も期待されています。
この記事を読んだ方に
おすすめの問題集
その他おすすめコンテンツ