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1-1.従来の知識詰込み方式が変化
従来の学校教育は、教師が教科書の内容を教え、黒板に書かれた内容をノートに書き留めて暗記し、テストで良い点数をとれば「優秀な生徒」とされてきました。
社会人になれば上司の指示通りに行動する人材は扱いやすく、会社のなかで出世できたのです。ところが知識を詰めこむだけ、素直に指示に従うだけでは変化の激しい世の中の流れについていけません。
答えのない問題や上司のいない環境に適応するには「自己解決能力」「自己管理能力」などが求められます。これら能力は従来の知識詰めこみ型教育では養えない力です。
1-2.学習者がより能動的に授業にかかわるアクティブ・ラーニング
小学校・中学校で本格的に始まるアクティブ・ラーニングは、主体性をもって授業に取り組むことや問題(課題)に対して解決策を模索する、グループで意見を交換して問題対策に取り組むなど、従来の知識詰めこみ型教育とは一線を画しています。
一人だけではなくほかの生徒と協力して解決すべき課題を見つけ、解決策を探していくのです。
1-3.インプットだけではなくアウトプットの能力が必要
従来の詰めこみ型教育では、インプットの能力が重要になっていました。教えられた答えを効率よく暗記し、決められた答えに効率よく辿り着くための技術を学ぶことに重点がおかれていたのです。
ところがアクティブ・ラーニングに明確な正解はありません。グループや調査でわかったことから課題を洗い出し、最適な解決策を探っていく過程に意味があり、コミュニケーション能力や思考力、判断力を養うことに重きが置かれています。
2-1.積極的に問題に立ち向かう能力
高度情報化の現代社会では、従来のような解決策では対応できない問題が増えています。また環境も刻々と変化しており、仕事や生活環境、自然災害、社会問題は複雑化、深刻化しています。
このような時代に「効率よく正解に辿り着く」能力はあまり役に立ちません。正解そのものがわからない世の中になりつつあるのですから。
そこで目の前の問題に自主的に立ち向かい解決する能力が求められます。もちろん旧来の解決策、考え方を踏まえたうえで独自のアイデアで積極的に課題に取り組む姿勢が必要です。アクティブ・ラーニングではその能力を磨くことができます。
2-2.多種多彩な意見を聞き統合する能力
アクティブ・ラーニングではほかの生徒と協力して、また地域住民や公的機関や会社のスタッフと連携するなどして課題の洗いだし、解決策の提示が求められます。
このとき、多種多彩な意見があることを認め、それらを受け入れて最終的な問題解決策を決めなければなりません。
思い込みが強すぎると課題や問題解決策を見つめることができないため、アクティブ・ラーニングによって多くの意見を素直に聞き、統合していく能力が鍛えられます。
アクティブ・ラーニングの方法には複数あり、どれを選択するかは各学校により違いが出てきます。そのなかでも特に有名なのが「問題解決型学習(Project Based Learning)」と「探究学習」そして「ジグゾー法」になります。
問題解決型学習は討論するテーマを決めグループで討議し、最終的に問題解決策をまとめることです。
探究学習はグループではなく、生徒が一人で課題を決め、情報収集やフィールドワークをとおして結論を出していきます。
ジグゾー法はグループで課題を決め、グループメンバーを一部入れ替えて別の課題を探索しているメンバーと交流し、最終的にメンバーをもとに戻して解決策を模索していく方法です。
4-1.国語・英語の変更点
国語や英語はもともとコミュニケーションツールなので、アクティブ・ラーニングの成果がわかりやすい科目です。
これら科目ではグループ・ディスカッションで生徒の意見を表現したり、ほかの生徒の意見を聞くなどして課題を探求します。英語の場合は簡単な英文を使うことで英語への理解が深まるでしょう。
4-2.社会の変更点
暗記メインの教科である社会では、フィールドワークが役立ちます。
単純に年号を暗記するのではなく「縄文時代の人たちの暮らしを調べる」「教師や地元の方と同伴で、戦時中に使っていた防空壕を見にいく」などの行動で、より深く学習の内容が定着します。
4-3.数学、理科の変更点
数学や理科はグループワークが有効です。問題の解き方がわからない生徒に対して、問題の解き方が理解できている生徒が説明することで両方にとってメリットがあります。
新たな発見やさらなる知識の定着が期待でき、学力アップにも効果的です。
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