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予習と復習、家庭学習においてどちらが大切なのかという質問をよく耳にします。それぞれにメリットはありますが、結論から述べると復習に重点を置くべきでしょう。ではそれはなぜなのでしょうか。
1-1.予習のメリット
予習をすることのメリットにはまず、学校での勉強に積極的に取り組めることが挙げられます。すでに自分で学習した内容ですから、授業の説明もラクに聞けますし、問題を出されたときも自信をもって答えることができます。
また、予習することは、まだ知らないことを自分の力で読み解き理解することになるので、自発性や読解力が身に着くでしょう。
1-2.本当はどちらもしたほうがよい
先ほど復習に重点を置くべきとお話ししましたが、もちろん予習にもメリットがあります。欲を言えばどちらもするに越したことはありません。しかし、家庭学習の時間が限られていたり、なにをしたらいいか迷ったりした際には復習をしたほうがいいでしょう。
わからないことがあるのに予習しても意味がありません。早く先に進めばいいというわけではないので、じっくりと時間を使って苦手なところが理解できるようになるほうが先決です。
特に小学生うちは、中学や高校の勉強のベースとなる基礎学力を勉強するので、あとあとつまずかないようにするために、復習をしっかりするべきでしょう。
人間の記憶とは実に頼りないもので、ドイツの心理学者が発表した「エビングハウスの忘却曲線」によると、無意味な文字の羅列を記憶しようとしたとき、20分後には42%を忘れ、1時間後には半分以上の56%を忘れ、1日たつと67%、1か月で79%も忘れてしまうとされています。
つまり習ったことの3分の2は1日で忘れてしまうということになります。ただし、意味のあることや重要なことであれば、もう少し記憶しておくことができるようです。
2-1.記憶の定着には復習が大切
先に述べたように、何もしなければ人はどんどん忘れてしまう生き物です。忘れないようにするために必要なこと、それが復習です。習ったその日のうちに10分でもいいので復習をします。その内容を1週間後に5分ほどおさらいすると、記憶はまた戻ってきます。
すぐに忘れるのは短期記憶といわれ、反対にずっと覚えていることを長期記憶といいますが、勉強も、復習を繰り返すことで長期記憶に変わり忘れにくくなります。毎日少しずつ、コツコツと復習を重ねていくことで、脳に記憶を定着させることができるのです。
2-2.わからないところを解決できる
学校で授業を受けたときにちゃんと理解できなかったとしても、自宅で復習をすることで理解することができます。自分のペースで進められるので、何度でも繰り返して練習することもできることは大きなメリットです。
3-1.習ったその日に復習する
先にも述べたように、習ったことはその日のうちに復習するのが効果的です。その日聞いたことであれば、思い出しながら問題を解くこともでき、忘れてしまったところも教科書を読めばよみがえってくるでしょう。
取り組む時間の長さよりも、繰り返すことが大切なので、その日のうちに10分復習したら、1週間後にもほんの少しでいいので教科書を読み返したり、問題を解いてみたりします。そうすることで記憶の定着を促すことができます。
3-2.習ったことを自分のものにする
習ったことをもとに問題を解いてみます。ちょっとした応用問題でも、習ったことをヒントにして、解き方を考えることで、習った内容を自分のものにすることができます。
また、理科の実験などは、その過程や結果を言葉で説明することができるようになれば、しっかりと理解できているととらえることができます。親子の会話のひとつとして、どんなことを学校で習ったのか聞いてみるのもよいでしょう。
さて、復習について説明しましたが、予習をさせたいという方もいるでしょう。家庭で予習をする場合に気を付けておきたいことを見ていきます。
4-1.自分でできる範囲でやる
家庭学習で予習をする際には、子どもが自分で理解できる範囲内で予習をすることをおすすめします。一人では理解できない内容を無理してやろうとしても、時間もかかり効率がよくありません。
それならば今までの復習をしたほうがよっぽど有意義です。教科書を音読するだけでも立派な予習ですし、小学生の予習であればそのくらいでも充分といえます。
4-2.読む、まとめるだけでいい
教科書を読むのも立派な予習ですし、それ以上にやりたい子どもであれば、自分がわかりやすいようにノートにまとめるといった作業をするとよいでしょう。ノートの取り方も身に着くので、今後の自主学習にも役立ちます。
また、問題を解くのは授業で習ってからにしたほうがよいでしょう。これは、自分で予習した内容が間違っていた場合、そのまま覚えてしまう可能性があるためです。
勉強において暗記が必要な場面はとても多いものです。習ったことをしっかりと記憶するためには復習が大切だということがおわかりいただけたでしょうか。また、子どもが進んで予習をしたがったときには、親が様子を見ながら勉強させてあげると、さらに意欲がわいてよいでしょう。
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