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2019年度までは高学年からおこなわれていた外国語活動が、2020年度からは中学年(3年生)からスタートするようになります。授業時間は学校や担当する先生によりさまざまですが、45分授業が週に1コマ程度。
ここでの英語学習は、単語や文法を覚えるようなものではなく、英語に触れる時間を増やすことで、相手の言いたいことをしっかりと聞き、自分の言いたいことをどうにかして伝える、というコミュニケーションの力を養うのが目的になる「活動型」の授業です。
そのため、ほかの学校と共通のシラバスや教科書はなく、担当する先生が授業をアレンジしておこなうカリキュラムになります。この活動型の英語教育を通して、日本語とは違う英語という言語を使って、人とコミュニケーションを取るのって楽しい!伝わると嬉しい!という感覚を身につけられる授業内容が多く組み込まれます。
高学年になると、英単語や文の仕組みなど、教科書を用いて学習する「教科型」へと移行します。ここからは英語として成績がつけられるようになり、ますます勉強らしくなってきます。
週の授業時間は、45分授業が2コマ程度設けられます。学校によっては10〜15分程度のモジュール学習が導入され、より頻繁に英語に触れられ、日常のルーティンに英語学習を組み込みやすくしています。
小学校のうちになるべくたくさんの英語に触れ、慣れ親しむことがその後、中高の英語学習を左右します。外国人とコミュニケーションが取れることが嬉しいこと、英語はとても楽しいもの、そう思えるかが今後の大きなカギとなっていくのです。
2021年度から始まる中学校の新英語教育では、習得語彙数が今の1,200語から1,600〜1,800語に増えたり、今までは高校で学んできた仮定法や原型不定詞などを習得したりと、学習内容が大きくレベルアップします。
また今までは「聞く」と「読む」ことに重きを置き、高校受験や英検などの資格取得のための英語として取り組んできましたが、これからはさらに「話す」と「書く」ことにも力を入れる授業内容に変更なります。
そして高校では、2022年度から新しい英語教育が取り入れられ、基本的に授業は英語でおこなわれるように。さらには、英語でのプレゼンテーションやディベートなども授業に盛り込まれるため、これからは英語だけでしっかりとしたコミュニケーションをとる時間が大幅に増えます。
つまり、高校卒業までに「将来使える英語を習得するため」に必要な土台を、すべて揃えられるようになるのです。
一方、大学入学共通テスト(大学センター試験) に2020年度から導入される予定だった英語民間試験は、住んでいる地域や家庭での経済状況などにより、平等が保てないため見直しとされ、2024年度に「新たな英語試験を導入する」と文部科学省が発表しました。
とはいうものの、民間の英語試験は資格としては有利なものです。大学共通テストに導入されることは見送りになりましたが、もし機会があれば受けてみてもいいかもしれません。
そもそもなぜ日本の英語教育が新しく改定されたのでしょうか。それは、私たち大人に答えが詰まっています。中学、高校と6年間も勉強してきた英語を、今どれだけの大人が実際に使えているのでしょう。
日本人の多くが英語を学ぶために割いてきた時間は、他の国の人と変わりはないのに、日本人の英語力は世界でも低いのが現状です。その使えない英語力を今の子どもたちに引き継がせないために、今回の英語改革がスタートするのです。
グローバル化の風は急速に進んでいます。その風に、日本の子どもたちが乗り遅れないよう、私たちが子どもたちのために今できることを、しっかりとサポートしてあげたいですね。
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