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小学生の学習は、学校で授業を受けるだけでなく家庭学習も大切です。「家庭学習=宿題をすること」と考える人も少なくないようですが、2020年の学習指導要領の改訂によって「主体的・対話的で深い学び」が必要とされており、これからは「自ら学ぶ力」が求められる時代になっていきます。
学校で与えられた宿題をただこなすだけでは受け身の学習になってしまいがちですが、家庭学習の習慣をつければ、自分から学ぶ姿勢を育てることにつながります。
また、学校や学習塾では多くの場合、クラスで足並みをそろえて学習を進めるため、自分の不得意分野を克服する勉強がしにくかったり、気が乗らない時でも強制的に学習しなければならなかったりします。
しかし家庭学習なら、自分のリズムで自分に合った勉強をすることができます。そのために自分で計画を立てて実行していけば、大人になった時にも必要とされる自己管理能力も身につけられるでしょう。
多くのメリットがある家庭学習ですが、高学年になってから「宿題以外にも家で勉強しなさい」と言っても、学習内容の難しさや反抗期の始まりなどがあり、いきなり学習習慣をつけるのは難しいものです。低学年のうちに習慣づけておくと良いでしょう。
では、実際に家庭学習に取り組むとしたら、どんな方法を取り入れれば良いのでしょうか。小学生の家庭学習の方法には様々なものがあり、まず挙げられるのが通信教育です。
最近の通信教育は「タブレット教材」と「紙の教材」の2種類に分けられます。タブレット教材は、タブレット端末で動画や音声なども活用して学習できるタイプで、理科の実験のデモンストレーションなど、理解度が深まるコンテンツもそろっています。また、その日の学習内容や時間をナビゲートしてくれるなど、学習を管理してくれる機能がついている場合もあり、特に共働きのご家庭でも安心です。
一方、紙の教材はテキストを使って自分の手で書き込みながら問題を解くタイプです。多くの場合、小学生向けのわかりやすい解説がついていて、中には採点してコメントを返してくれる添削サービスを実施しているところもあります。
通信教育のメリットは、都合の良い時間に取り組めることや、子どもの理解度に合わせた学習ができること、子どもの学習状況を把握できること、子どもと一緒に勉強できることなどが挙げられます。しかし、自由度が高い反面、しっかりスケジュールを決めて管理しないと子どもがだらける、勉強の難易度が上がると自分だけで学習を進めるのが難しくなる、という側面もあります。
最近、新たな学習方法として活用されているのが、スマホやタブレット端末で利用できる学習アプリです。問題集や参考書などを使って勉強してきた世代の人には驚きかも知れませんが、勉強に特化したものから、ゲーム感覚で気軽に楽しめるものまで、数多くの学習アプリが登場しているのです。
学習アプリのメリットの一つに、子どもの学年や性格などに応じて、様々な種類のアプリを使い分けられるという点があります。例えば、低学年の子や勉強に苦手意識を持つ子にはゲーム気分で楽しく使えるもの、中高学年の子には計算ゲームや社会・理科のクイズ、勉強習慣がついている子には問題や解説が多いものなど、子どもに適したアプリを選ぶことができます。
ほかにも、バスや電車での移動中といった空き時間に使用するなど、時間や場所を問わず勉強できることや、無料で利用できるものもあり、コストを抑えられるという点も学習アプリの利点です。
ただし、学習アプリはネットにつながっているという環境から、子どもが途中でネット動画を観始めてしまうなど、勉強の妨げになるような誘惑が多いのも事実です。学習アプリを取り入れる場合は、しっかりとルールを決めておくと良いでしょう。
様々な家庭学習法の中でもおすすめなのが、市販の学習参考書です(記事中の「学習参考書」の語は、ドリルや問題集も含む広義の意味で使用しています)。
学習参考書の大きなメリットといえるのが費用です。通信教育は低額なもので月に約3,000円(年間約36,000円)、学習塾は文部科学省の「子供の学習費調査」(平成28年度)によると年間平均約57,000円~約220,000円と、さらに高額です。一方、学習参考書は1教科あたり年間約1,000円で済み、主要教科分や追加で数冊購入した場合も6,000円程度で入手できます。
「そんなに安くて子どもはしっかり勉強できるの?」と不安に思う人もいるかも知れません。しかし、学習参考書には子どもが楽しみながら続けられる工夫が盛り込まれていたり、学校の教科書に沿った勉強ができたりと、子どもの学習をサポートしてくれる要素が多くあり、低価格にも関わらず内容はしっかり充実しています。
さらに、学習参考書で勉強する際は、教材を購入するところから始まるため、子どもの学習の進捗・理解度に沿った教材を選ぶことができ、子どもに合った学習ができるというのも嬉しいポイントです。
参考記事:市販の学習参考書はアリなの?
様々な選択肢がある小学生の家庭学習。どの方法がマッチするかは人それぞれです。お子さんに合った学習方法を比較検討してみてはいかがでしょうか。
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