施設紹介

東京都北区防災センター(地震の科学館)

イメージ画像:東京都北区防災センター(地震の科学館) イメージ画像:東京都北区防災センター(地震の科学館)

展示(てんじ)物などのしょうかい

国の「防災基地建設モデル事業」のひとつとして,1984年につくられたのが,東京都北区防災センター(地震(じしん)の科学館)です。1階の展示ホールでは,地震の基礎(きそ)知識から自主防災などまで,地震対策に必要な情報が公開されています。同じく体験棟(とう)1階にある体験コーナーでは,「地震体験」「けむり体験」を実際にやってみることで,地震などの災害時に何が必要で,大切なのかを学ぶことができます。2階には,応急救護体験室があり,三角巾(きん)を使用した応急救護の練習やAED(自動体外式除細動器(じどうたいがいしきじょさいさどうき))を使った心肺蘇生(そせい),ロープワーク(ロープの取りあつかい,用途(ようと)に応じた結び方のこと)の訓練などを行います。なお,安全に避難(ひなん)したり,負傷者を救出したり,きけんなところを明示するときにも,ロープの取りあつかい,つまりロープワークは身につけておきたい技術のひとつです。

「命を守る」

震度7を記録した阪神(はんしん)淡路(あわじ)大地震のときにさつえいした写真がそのまま再現されています。大地震が万が一起きてしまったときに大切なのが,自らの命を守るということ。このコーナーでは,家の中,あるいは家の外にひそむきけん,それらを防ぐ方法がひとつひとつていねいにわかりやすく説明されています。

イメージ画像:阪神(はんしん)淡路(あわじ)大地震の再現(後)イメージ画像:阪神(はんしん)淡路(あわじ)大地震の再現(前)イメージ画像:家の中にひそむきけん

「生活を守る」

大地震のひ害を受けた後,日々のくらしはいったいどうなるのでしょうか。ライフラインの復旧まで,どのようなものをそなえておくべきなのか,このコーナーではしょうかいしています。

イメージ画像:「生活を守る」

「地域を守る」

被災後の生活で大切なのは,地域での防災活動です。自分でできることは何か,「自主防災組織」と「避難所」でのくらしについて,知り,学びましょう。

イメージ画像:「自主防災組織」イメージ画像:「避難所」

「デジタル・ステーション」

大震災が起きたとしたら,わたしはどうすればいい? 「シミュレーション」コーナーで,災害時にとるべき行動などをクイズ形式で質問に回答しながら,学ぶことができます。

「地震の基礎知識」

これまでの過去の地震の情報や記録をふりかえるだけではなく,地震そのものの基礎知識を教えてくれるコーナーです。
意外と知らない地震の基礎知識をしっかりと学び,地震のおそろしさを知りましょう。そうすることで,地震が来たとしてもあわてず,さわがず,行動できるはずです。

イメージ画像:地震そのものの基礎知識イメージ画像:地震の年表

地震体験・けむり体験をしてみよう

地震体験

ここでは,「関東大震災」「阪神淡路大震災」「東日本大震災」「熊本地震」などの地震のゆれを再現などして体験することができます。
地震は,震度計がゆれたものはすべて「震度」としてとらえます。震度は「0 から1,2,3,4,5弱,5強,6 弱,6 強,7」で,全部で10 段階あります。地震体験の間にうかがった説明によると,震度7 は,1948 年に起こった福井地震がきっかけで,翌年の1949 年に追加されました。なので,震度7の地震は,1949 年以降(いこう)の数ですが,これまでに6 回起こっているそうです。いくら数秒の間だとしても,言葉に言い表せないくらい激(はげ)しく強いエネルギーを地震は持っていると言えますし,たった数秒でも家屋やビルの倒壊(とうかい)が起きてしまうことがあるということが,地震体験とそのお話からわかりました。

イメージ画像:地震体験

けむり体験

地震のゆれが収(おさ)まった後に注意するのが「火事」の発生およびそれによる「けむり」です。けむりは一酸化炭素を多くふくんでおり,この一酸化炭素は,血液の中にあるヘモグロビン(赤血球のタンパク質)が酸素より結びつきやすい性質(酸素の約250倍)を持っているので,一酸化炭素をほんの少し吸っただけでも,ヘモグロビンとくっついてしまい,一酸化炭素は血液の流れに乗り,体内をすばやく回るため,酸素不足を引き起こしやすいのだそうです。
「けむり」に対しては「お」さない,「か」けない,「し」ゃべらない,「も」どらない,そして,場合によっては,「ち」かよらないの,「おかしも(ち)」を守らなければならないそうです。
また,非常口に向かってにげるときも,空間ではなく,かべをさわりながらにげるのが大事だそうです。空間だとどこに自分がいるかわからなくなり,あせってしまいますが,かべはどこかに必ずつながっているからです。この体験で使っているけむりは,本物ではなく,けむりに似せたものなのだそうですが,真っ暗の部屋の中をけむりを感じながら,かべづたいに移動することは,やはりこわいことがわかりました。

イメージ画像:けむり体験

北区防災センターからのメッセージ

近年,日本国内では大きな地震の発生が増えています。また,首都直下地震,南海トラフ地震が発生した場合には,大きなひ害が想定されています。万が一のときにどうしたらいいのか。防災訓練や防災体験しせつでの体験を通して防災についてふだんから考え,そなえるきっかけになればと思います。地震が起きたらまず何をするべきか。自分で自分を守ること(自助)。これが一番大事です。地震が起きたときには,姿勢(しせい)を低く,頭・体を守る,ゆれがおさまるまで動かない。また,火災に巻(ま)きこまれたら,体を低くし,かべをさわりながら非常口に向かうこと。そのために,初めて行く,あるいはとまる場所などでは,まずは非常口を2 ヶ所以上見つけておくことが大切です。北区防災センターでは,「地震体験」や「けむり体験」を通して,このようなちえを実際に学び,身につけることが可能です。また,地震に関する知識や情報もしょうかいしているので,ぜひ一度いらしてください。

本ページで使用している画像は東京都北区防災センターの許可を得て掲載しています。