施設紹介

広島市江波山気象館

イメージ画像:広島市江波山気象館 イメージ画像:広島市江波山気象館

てんじ物などのしょうかい

広島市南部,高さ約30mの山にある広島市江波山気象館。日本ではめずらしい「天気」や「気象」について学べる,日本初の気象をテーマにした博物館です。今から85年ほど前,1934年に建てられた,広島県立広島測候所,後(のち)の旧(きゅう)広島地方気象台(=天気だけではなく,地震(じしん),火山,海洋などの観測(かんそく)も行う気象庁の一組織)の建物が,昭和20年の原子ばくだんのひ害を乗りこえて保存され,1992年からは気象博物館に生まれ変わりました。洋館風の建物は,その内部の美しい装飾(そうしょく)や原ばくにもたえた建築そのものの技術の高さが認(みと)められ,広島市指定重要有形文化財(ひろしまししていじゅうようゆうけいぶんかざい)となっています。

イメージ画像:る広島市江波山気象館(内部)

1階「お天気情報コーナー・図書室」

博物館で,広島市の天気予報(よほう)も出しているのが,江波山気象館のユニークなところ。気象関連の本を集めた図書室もあり,予報作業のようすも見ることができるので「天気」や「気象」がより身近に感じらます。「相談カウンター」では,気象予報士や学芸員(がくげいいん)が天気や気象についてのぎ問や問い合わせに,ていねいにわかりやすく答えてくれます。また,夏休みには,自由研究のテーマ選びや研究の方法の相談にのってくれる「夏休みお天気自由研究相談」(小中学生向け)も行われるので,自由研究や宿題を持って勉強をしにくる児童・生徒も多いそうです(夏休みの自由研究相談をするには事前要予約)。

イメージ画像:1階「お天気情報コーナー・図書室」

自分の誕生日(たんじょうび)に,広島市はどんな天気だったのかを調べられる「広島のお天気調べ」(1940年以降(いこう)が検さく可能です)も大人気。「ビデオコーナー」では,「水のたび」というビデオで,海面からじょう発し,雲,雨になり,森,川,海へじゅんかんする水のようすが音楽やえいぞうとともに学べるので,自由研究のテーマとしてもおすすめです。

イメージ画像:「広島のお天気調べ」 イメージ画像:「広島のお天気調べ」

2階「ビデオコーナー・気象台のおもいで・体験コーナー Hands On(ハンズオン)!」

2階の「ビデオコーナー」では,広島の春夏秋冬をしょうかいした「広島の四季」と,原子ばくだんが落とされた1945年8月6日や枕崎(まくらざき)台風により大きなひ害を受けた9月当時の広島地方気象台のようすを小説にした「空白の天気図」(柳田邦男(やなぎだくにお))をビデオ化したえいぞうを見ることができます。そのひばく当時の気象台のようすが資料としててんじされているのが「気象台のおもいで」です。ばくふうによって曲がってしまったまどわく,かべにつきささったガラスのはへん,気象台の当番日誌(にっし)などが公開されています。
鏡を使ったさまざまな体験を通して,科学を楽しく学べるのが「体験コーナー Hands On!」(写真)。Hands Onとは英語でもともとは「手を置く・さわる」という意味で,今では「博物館などでの体験学習」を表します。てんじ物は内容がかわる場合がありますが,鏡にうつった迷路を見ながらゴールを目指す「さかさ迷路」や,鏡にうつった文字を見ながら,実際(じっさい)の文字をうまくなぞれるかをためす「さかさ文字」など,不思議がもりだくさんのコーナーです。

イメージ画像:2階「ビデオコーナー・気象台のおもいで・体験コーナー Hands On(ハンズオン)!」イメージ画像:2階「ビデオコーナー・気象台のおもいで・体験コーナー Hands On(ハンズオン)!」s

2階「気象体験コーナー,対流圏(たいりゅうけん)ゾーン」に行ってみよう

地球の表面を重なるように何層(そう)もおおっているものは「大気」と呼ばれています。その層の1つが「対流圏」です。地上から高さ10から16kmくらいの層を指し,「風」,「雲」,「かみなり」といった現象が起きます。まさにこのコーナーでは,てんじ物を通して対流圏で起こっている気象を体感できる貴重(きちょう)な機会です。

突風カプセル

このカプセルに入ると,風速5m,10m,20mの風を体験できます。風速は「1秒につき何m動くか(m/s)」という単位で表します。気象庁の分類では風速20m/sの風は「非常に強い風」となります。突風カプセルで体験できる風速20m/sの風は,いったいどのような感じでしょうか。

イメージ画像:突風カプセル(外観)イメージ画像:突風カプセル(内部)

タイフーンボックス

とても小さな水てきで人工的に作った「雲」の中に入ったり,「台風の目の形」を観察したりすることができます。台風は,熱帯,または,亜(あ)熱帯地方の海上で発生する低気圧(熱帯低気圧)で,最大風速がおよそ17m/sをこえたものを意味しますが,「台風の目」は,台風の雲のうずまきの中心部分にできる,風が弱く雲が少ない部分です。

イメージ画像:タイフーンボックス

フランクリンの実験室

人工的に起こした30万ボルトの落雷(らくらい)実験を体験できます。ボルトとは,電圧を表す単位で,電気を押し出す力とも言えます。家庭で使われるふつうの電気の電圧が100V(ボルト)なので,30万ボルトがどれだけの大きな力かわかるでしょう。アメリカ独立宣言(どくりつせんげん)を書いた人のひとりと言われるベンジャミン・フランクリンは,雷は電気であるということを実験で証明した人です。

イメージ画像:フランクリンの実験室(外観)イメージ画像:フランクリンの実験室(内部)

気象館からのメッセージ

「どうして雲はできたり消えたりするんだろう?」「どうして雨はふるの?」「もっと天気図の見方を知りたい!」小学生のみなさんは,天気や気象についてのぎ問ややってみたいことをたくさん持っていることでしょう。逆に,「自由研究のテーマが見つからない」「こんなぎ問でいいのかな?」と感じている場合もあるかもしれませんね。そんなときは,ぜひ,気象をテーマにした博物館である広島市立江波山気象館に遊びにきてください。3階の屋上では気象観測機器も見られますし,周りにはさえぎるものがないので空や雲の観察にはもってこいの場所です。ここには,お天気を予測する気象予報士や,お天気のことにくわしい学芸員がいます。教科書以外の体験や実験からも学べることがたくさんあります。みなさんとお目にかかる日を楽しみに待っています。

本ページは広島市江波山気象館のホームページを参考に作成いたしました。また使用している画像は広島市江波山気象館の許可を得て掲載しています。