時刻は,時の流れの中の各瞬間,つまり,1点を示し,時間は,時刻のある点からある点までのへだたり,つまり,時の経過の長さを示すものです。
したがって,時間は,加法や乗法など計算の対象になりますが,時刻については,加法や乗法などを考えることができません。
時刻は,児童の日常生活と関連させ,時計の読みを通してとらえさせることができます。
しかし,時間という量は,長さやかさなどとちがって,見かけではとらえにくく,基準となる単位を設けて直接測るということもむずかしいものです。
指導にあたっては,日常生活の中での行動や経験と対応させて,具体的な場で1点を示す時刻と,へだたりを示す時間とのちがいをつかませ,しだいに時間の概念を育てていくことがたいせつです。
教科書では,模型の時計を用いて,時刻を視覚的にわかりやすくとらえさせるとともに,時間については,長針の動きを矢線で表して量感をとらえさせ,時刻との区別を明確にしています。
なお,時刻と時間については,第3学年で秒を取り扱い,時間の概念についての理解を深めるとともに,簡単な場合について,必要な時刻や時間を計算によって求めることができるように指導することになっています。