Challenge! 英語で算数!
単元名
岐阜県大垣市立江東小学校 福井 美子
本実践について
(1)指導にあたって
大垣市は,平成17年度より3年生以上で英語を教科として学んでいる。大垣市の小学校英語科の目標は,「英語を用いた言語活動を通じて,言語や文化の体験的な理解を促し,英語の音声や基本的な表現に着実に慣れ親しめるようにしながら,他者と望ましい人間関係を築くためのコミュニケーション能力の基盤を養う」としている。これを受けて,大垣市では,児童が聞きたい,知りたいと考える内容を,相手に伝えたいという気持ちで話し,英語で何とか通じたという体験ができる活動を仕組んでいる。こうした必然のあるやりとり,情報の授受を目的としたコミュニケーションの積み重ねを通してコミュニケーション能力の基盤が育成されると考えている。
(2)単元について
本単元は,いろいろな形の言い方と四則演算の出し方に着実に慣れ親しみながら,面積を出す問題を出したり答えたりして,積極的にコミュニケーションを図ることができることをねらっている。児童は,「Fun with MATH」を見たとき,とても興味をもって目を輝かせていた。5年生で学習している内容を英語でやれるかなあ,やってみたいなあという興味と不安が混じった気持ちでいるように思われた。
そこで,自然に英語の表現に慣れ親しむことができるように段階を踏んだ単元指導計画を作成し,単元の最後の時間には英語で図形の面積を出すことができたという満足感を全員が味わうことができるように工夫した。形については低学年の時に慣れ親しんできているので,さらにこの単元では,台形,平行四辺形等も取り入れ,児童の知的好奇心に合わせた内容とした。また,四則演算については,初めてであるが,面積を出すというゴールに向かって取り組む際に必要な表現であることから学ぼうという意欲につながっていくと考え,取り入れた。
単元指導計画(全4時)
時 | 指導のねらい | 実際の様子から | Fun with MATH | ||||||||||||||||||
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1 | キーワードゲームをしていろいろな形の言い方に慣れ親しむことができる。 |
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2 | いろいろな数の言い方や四則演算の言い方に慣れ親しみ,計算ゲームをして進んで問題に答えることができる。 |
←数字ビンゴ,
2□3=5答えに合う+-×÷カードを当てはめるゲーム |
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3 | いろいろな形や四則演算の言い方に慣れ親しみ,計算ゲームをして問題を出したり答えたりすることができる。 |
←10 4=6
形カードを裏返すと+-×÷のどれかになりぴったり合うカードをめくったらポイントゲットするゲーム
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4 | いろいろな形や四則演算の言い方に慣れ親しみ,面積クイズをして問題を出したり答えたりすることができる。 |
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本時(第4時)の展開
段階 | 主な学習活動 | 指導上の留意点・評価 |
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つかむ | 1.Greeting元気よく挨拶をする。2.Song3.Today's topichoneycomb(蜂の巣)の話4.Today's aimAIM:英語で図形の面積を解こう |
Fun with MATH 5Bの65ページを使って蜂の巣が6角形である話題についてふれ,形を表す英語を児童が何度も聞くことができるようにする。 |
5.Practice time形や四則演算の表現をおさらいする。三角形,正方形,長方形,平行四辺形,ひし形,台形の面積の出し方をおさらいし,その後,英語での言い方を前時の学習を生かして言う。 6.Challenge timeグループで面積の問題を出し合い,ポイントを競う。 例(A:先生役,B:答える子)
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面積の公式を日本語でまず復習してから,英語で言ってみる。 前時の学習を生かして自分で考えながら英語で言う時間をゆとりをもって取る。 前時の学習を活用することができた充足感を味わい,意欲をもって活動できるようにする。 番号が大きいほど問題は難しいが,ポイントは高いように問題を用意し,児童の意欲を高めるように工夫する。 左のようなやり取りをグループの中で行い,問題がとけたときは褒めたり,間違えたときは励ましたりすることができるように支援する。
評価
面積問題を解き,英語で式と答えを言おうと積極的に取り組んでいる。(コミュニケーションに対する関心・意欲・態度) |
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7.Treasure time合計ポイントを計算し,算数チャンピオンを認める。自己の振り返りをワークシートに書く。 友達の良かったところを発表する。 教師による活動の評価を聞く。 8.Greeting |
単にポイントだけでなく,難しいけれど一生懸命英語で挑戦していた児童や,Good job!と友達を認めていた児童を価値づける。 |
指導の成果と課題
(1)成果
「Fun with MATH」を初めて見たときの「やってみたい」という意欲が続くように,形,数字,四則演算と段階を踏んでゲーム形式を取り入れながら進めたことで,大人が考えると難しそうな単語(parallelogram , trapezoid ,rhombus など)も殆どの児童がすらすらと口にすることができ,教師の方が驚くほどであった。
5年生という発達段階の興味にあった内容で単元の最後まで大変意欲的に学習に取り組めた。台形の面積はかっこが入り,英語で言うのは複雑なので問題には入れないようにと考えていたが,児童がやってみたいという気持ちが強く,問題に入れたところ,大変熱心に言うことができた。
(2)課題
形や四則演算の表現に比べて,数字の言い方は個人差があり,すぐには言うことができない児童もいた。普段の英語の授業の中で自然に取り入れていく必要が,数字に関してはあると感じた。
- How many pencils are there?数えてみよう!
- くらべてみよう
- Let’s enjoy Math in English
- かぞえてみよう 1~10