公式は,数量の間に成り立つ関係を一般化して表示した式といえます。面積を求めることを求積といいますが,長方形,正方形の求積のための公式,即ち求積公式は次のようにかき表されます。
・長方形の面積=たて×横
・正方形の面積=1辺×1辺
指導にあたっては,公式を単に形式的に覚えさせるのではなく,公式の根拠をきちんと説明できるようにしたいものです。
なぜ,長方形の面積は縦と横の長さをかければよいのかといえば,それは,長方形の面積が縦と横の長さに依存するからです。その依存し合う状況を明確におさえることが,求積公式指導のポイントといえます。
もともと量の全体の大きさは次のような式で表されます。
(全体の大きさ)=(基準にした大きさ)×(基準にした大きさのいくつ分)
このことを前提に,上の図1の単位面積の個数の求め方を考えると,「基準にすべき大きさ」は,図3 のように3cm2となり,縦の長さと同じ数になります。それが,図4のように4つ分ということで,これは横の長さと同じです。
つまり,単位面積の縦に並ぶ個数のいくつ分という考えが,結果的には縦の長さと横の長さに依存することになり,
長方形の面積=縦×横
とかき表されるわけです。
正方形の場合もこれと同様です。