公園などでは,いろいろな草花を見ることができます。
花がさいていれば,すぐに気づきます。しかし,草花は,花だけでできているわけではありません。花だけでなく,葉などもあります。また,春になってとつぜん花がさくわけではありません。少しずつ,大きくそだっていき,花がさきます。
草花はどのようにそだっていくのか,どのようなつくりをしているのか,草花をそだてて,観察してみましょう。
草花は,いつでもそだつというわけではありません。そだちやすい季節があります。草花がそだちやすい季節にたねをまき,世話をしてそだてていかなければいけません。いつからそだてればよいかわかったら,それに合わせてじゅんびをしましょう。
いくつか,草花をしょうかいします。花がさく時期や実(たね)ができる時期は,そだち方や気温,場所などによってかわります。だいたいのめやすとしてください。たねは,花屋さんやホームセンターなどで買うことができます。
・何に植えるか:植木ばち,プランター
・花は6月ごろから,じゅんばんにさいていきます。
・何に植えるか:植木ばち,プランター
・花は7月ごろから,じゅんばんにさいていきます。いろいろな色の花がさきます(1本のホウセンカでは同じ色です)。
・何に植えるか:植木ばち,プランター
・「つるなしインゲン」ですと,支柱がひつようないのでじゅんびが少なくてすみます。
・花はたねをまいてから,1ヵ月ぐらいでさき,やがて実ができます。
・実を食べるときは,実が10〜15㎝ぐらいのときにとります。「いんげんまめのごまあえ」などに料理して食べましょう。
・何に植えるか:植木ばち,プランター
・花はたねをまいてから,1ヵ月ぐらいでさき,やがて実ができます。
・じゅくしていない(緑色の)実をとって,塩ゆでしたものが「えだまめ」として食べているものです。
・何に植えるか:植木ばち(支柱を立てる)
・支柱を立てておくと,支柱にまきついてそだっていきます。
・何に植えるか:植木ばち(支柱を立てる)
・実が手ごろな大きさの「千成(せんなり)ヒョウタン」がそだてやすいです。
・支柱を立てておくと,支柱にまきついてそだっていきます。
・じゅくした(茶色くなった)実は,工作の材料や飾りとして使えます。
・何に植えるか:植木ばち(支柱を立てる)
・支柱を立てておくと,支柱にまきついてそだっていきます。
・じゅくしていない(緑色の)実を食べることができます(ただし,苦いです)。
・何に植えるか:植木ばち(支柱を立てる)
・支柱を立てておくと,支柱にまきついてそだっていきます。
・いろいろな形や色の実ができます。できた実は飾りとして使えます。
植物には,たねをまいて,そだてていく場所がひつようです。花だんがあれば,花だんにまくとよいでしょう。花だんがないときは,植木ばちやプランターを使いましょう。植木ばちやプランターに土を入れ,ひりょう(植物がそだつためにひつようなよう分)をまぜて,草花がそだつための場所をじゅんびします。たねといっしょにじゅんびしておきましょう。
※土をさわったあとは,手を洗いましょう。
草花のたねや植木ばちなどをじゅんびして,たねまきの時期がきたら,いよいよたねまきです。
植木ばちの中央あたりに3cmぐらいのふかさのあなをほって,たねを2〜3つぶ入れ,土をかぶせます。
または,右の写真のように,ビニルポットにたねまきをして,いくつかのなえをつくってもいいです。(花屋さんなどで,なえを買うこともできます。)
たねまきをしたら,たっぷりと水やりをします。あまり水のいきおいが強すぎると,たねがながれてしまいますので,やさしく水やりをしましょう。
芽が出て,葉が5〜6枚になったら,じょうぶでよくそだっている1本だけをのこして,そだてていきます。
しぜんの中でそだつ草花は,1本でもたくさんのたねをつけます。
草花の実やたねは,虫や鳥などに食べられてしまうことがあります。また,そだちにくいところにたねがはこばれてしまい,芽が出なかったりとちゅうで枯れてしまったりしてしまうこともあります。草花はたくさんのたねをのこして,生きのこるようにしているのです。
1つの植木ばちやビニルポットに2〜3つぶのたねをまいて,そだちのよい1本だけをのこしてそだてるのはかわいそうですが,そうすることで草花をよりよくそだてることができ,次のたねをのこすことにつながります。
草花が芽を出し,そだってきたら観察しましょう。芽を出した草花がはじめに出すのが子葉(しよう)です。子葉が2枚出るので,双葉(ふたば)とよぶこともあります。そのあとに出てくるものが葉(本葉)です。葉が出ているもとのところが茎(くき)です。
一方,土の中はどうなっているのでしょうか。土の中には根が広がっています。根もどんどんとそだっていきます。
このように,草花は,根・茎・葉からできています。そして,根を土の中にのばすとともに,茎をのばし,たくさんの葉をつけてそだっていきます。
草花が大きくそだつためには,水がひつようですから,水やりをわすれないようにしましょう。また,葉の色が緑色ではなく,うすい緑色や黄緑色になっていたら,ひりょうがたりないかもしれません。水でうすめたえき体ひりょうをやるなどしましょう。
※ひりょうを飲んではいけません。
根・茎・葉はどんなやくめをしているのでしょうか。
根…体をささえる,水やよう分を取り入れる。
茎…体をささえる,根で取り入れた水やよう分をはこぶ,
葉でつくったえいよう分をはこぶ。
葉…水やよう分と日光などをもとにして,えいよう分をつくる。
葉が日光(太陽の光)をうけて,空気中の二酸化炭素(にさんかたんそ)と水を使って,でんぷんなどのえいよう分をつくり,酸素(さんそ)を出します。このはたらきを光合成といいます。
植物は光合成によって,えいよう分をつくることができます。動物はえいよう分をつくることができませんので,植物やほかの動物を食べてえいよう分を取り入れています。また,人や動物が出した二酸化炭素を植物が酸素にしているのです。
草花がそだっていくと,やがて花がさきます。マリーゴールドやホウセンカなどは1しゅるいの花しかさきませんが,ヒョウタンのように2しゅるいの花(めばなとおばな)がさくものもあります(めばなとおばなは,花の根もとを見ると見分けることができます)。花の中をよく観察すると,めしべとおしべがあります。ヒョウタンのようにめばなとおばながさくものでは,めばなの中にめしべが,おばなの中にはおしべがあります。
花によっても色や形などがちがいます。花がさいたら,よく観察してみましょう。
花がさいたあとに実ができます。しかし,何もしないで実ができるわけではありません。おしべの花粉(かふん)がめしべの先について,実ができ始めます。これを受粉(じゅふん)といいます。受粉をすると,実がだんだんと大きくなっていきます。
ヒョウタンの実のそだち
受粉すると,実ができていくのはわかったかな。では,動くことができない植物は,どうやって受粉をするのでしょうか。
しばらく花を見ていると,虫がやってくるのを見ることができます。虫は花のみつをすいにきます。そのとき,虫の体に花粉がついて,その花粉がめしべについて,受粉するのです。
ほかにも,鳥がやってきて受粉のなかだちをしたり,花粉が風で飛んで受粉したりする植物もあります。
実がじゅくしたら取りましょう。実の中を見てみると,植えたときと同じたねがたくさん入っています。実をつけた草花はかれてしまいますが,たねをのこして,また新しいいのちが受けつがれていきます。
ここでしょうかいした草花は,たくさんある草花のうちのほんの少しだけです。葉だけを見ても形やつき方,大きさなどもちがいます。また,せつめいもほんの少しだけです。花をよく観察すると,どのようなつくりになっているでしょうか。おしべやめしべのほかに,どのようなものがついているでしょうか。
いろいろな草花をそだてたり,観察したりすれば,もっとおもしろい発見ができるかもしれませんよ。
草花のそだて方など,さいばいのくわしいないようについては,花屋さんなどへお問い合わせください。また,ひりょうなどの使い方などについては,買ったお店に問い合わせたり,せつめい書をよく読んだりして使ってください。
「草花をそだてよう」を読んでいただき,ありがとうございます。楽しく読むことができたでしょうか。読んだかんそうを聞かせてくださいね。
かんそうはこちらへ:eihon@shinko-keirin.co.jp