1.はじめに
平成21年度から先行実施される学習指導要領の中で,小学校理科の教科目標に「実感を伴った理解」が追記された。そこで,改めて理科教育における「理解」について,学習指導要領をもとに再確認を行った。
2.「3つ理解」について
具体的な体験を通して形作られる理解 |
主体的な問題解決を通して得られる理解 |
実際の自然や生活との関係の認識を含む理解 |
これら3つの理解をおさえながら,子どもたちに,確かな知識として活用できる概念を残すために,自然の事物・現象をより深く理解できるよう,授業づくりとノートづくりを視点とした,指導方法の工夫改善を行った。
3.指導方法の工夫改善について
|
|
|
|
主体的な問題解決を通して得られる理解をより確かなものにするために |
|
|
|
|
|
|
時間の経過とともに理解(記憶)が薄れてしまう。 |
|
何のために,どんな実験を行い,どんな結果が得られたか答えられない児童が多くいる。 |
|
|
|
実験・観察の「結果」と「まとめ」を混同してしまうことによって,結果ばかりを重視したり,結果にばかり着目したりしてしまう児童が,多くいるのではないか。 |
|
|
|
従来の授業の流れを見直し,下記のような流れとした。 |
|
「結果」と「まとめ」を区別し,「まとめ」の段階では問題や課題から結果までの流れを意識させながら,考察させるようにした。 |
|
|
|
まとめについては,それぞれの表現方法で,ノートづくりを行わせるようにした。 |
|
留意点 |
ア. |
「文字や言葉での表現」「絵を活用しての表現」については,自己選択にさせている。 |
イ. |
支援の必要な児童については,小さいホワイトボードを活用し,まとめに必要なキーワードを提示している。 |
ウ. |
十分な理解が得られている児童については,その理由についても,記入させるようにしている。 |
|
|
|
様々な表現方法を知ることができ,自分のノートづくりに生かすことができる。 |
|
自分のまとめとの比較をすることにより,より深い理解が得られるようになる。 |
|
|
|
|
|
実際の自然や生活との関係の認識を含む理解をより確かなものにするために |
|
|
|
|
参考文献:小学校学習指導要領解説 理科編 平成20年8月 (文部科学省)
|